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2021年10月28日

加齢にともなって肌の乾燥が進む「老人性乾皮症」とは?

はじめに

乾燥肌とも呼ばれる肌の皮脂や水分が不足して乾燥が進んだ状態を、「乾皮症(かんぴしょう)」といいます。なかでも加齢にともなって起こるものは、「老人性乾皮症」と呼ばれています。高齢者の多くを悩ませているこの症状。具体的にどういうものなのか、どうすれば予防できるのか、なってしまった時はどうすればいいのか、ここではそれらを解説していきます。

老人性乾皮症とはどんな症状?

肌はたくさんの層によって作られていますが、一番表側に角層という層があります。角層には、肌の水分を保つバリア機能と、肌のうるおいを正常な状態に保つ保湿因子が備わっています。しかし、そのバリア機能と保湿因子は年齢を重ねると衰えてしまいます。加齢とともに肌の水分が保てなくなり、乾燥してカサつき、本来の防御機能も低下。軽度では白く粉をふく状態ですが、症状が重くなるとひび割れのようになり、網の目のようにひびが見えることも。この状態を「老人性乾皮症」といいます。

また、外部からの刺激に弱くなったり、乾燥してかゆみに敏感になったりすることで、肌をかきむしってしまう方もいます。かきむしって悪化した状態を「皮脂欠乏性湿疹」といい、発疹やただれのような症状が現れます。

すね、大腿、腰に症状が出る方が多いですが、肩や首回りなど上半身を含めて全身に現れる場合もあります。

服がすれるだけでかゆかったり、かゆみで夜眠れなくなったりするケースもあるので、ただの乾燥肌と軽く考えずに早めに対策を取りましょう。

老人性乾皮症になってしまった時の対処方法は?

まずは医師に相談しましょう。かかりつけ医がいる場合はかかりつけ医へ、皮膚科にかかるのが一般的です。他の病気との合併症として現れている可能性もありますが、まずは皮膚科で相談してみましょう。

かゆみを伴っていない乾燥肌の場合は、乾燥が進まないように保湿をしっかり行いましょう。保湿剤には主に次のような種類があります。

・ワセリン
油分を固めたような保湿剤で、皮膚をコーティングして水分が蒸発するのを防ぐ作用があるといわれています。

・ヘパリン類似物質含有製剤
体内にある「へパリン」に似た成分が入った保湿剤で、水分を保持する保湿作用や血行促進作用、抗炎症作用などが認められています。

・尿素製剤
尿素を含む保湿剤で、水分を保持する保湿作用とあわせて、古い角質を除去して肌をやわらかくする効果があるといわれています。刺激性があるので、炎症が出ているところには使えません。

・セラミド
角質細胞の隙間を埋めている「角質細胞間脂質」の成分がセラミドです。肌の水分の蒸発を防ぎ、皮膚を保護する作用があるといわれています。

病院では症状に合わせて保湿剤を処方されます。どういった保湿剤が効果的なのか、医師に話を聞くのもいいでしょう。またかゆみが強い時は、内服薬の抗ヒスタミン薬を処方されるケースもあります。炎症が悪化している場合には、ステロイドの入った塗り薬を処方される場合も。決められた使用量や使用回数などを守って使うことが、改善への近道です。

日常生活の中で原因になることを知って予防しよう!

老人性乾皮症は主に加齢によって起こりますが、それ以外にも原因となることが日常生活の中に潜んでいます。老人性乾皮症を発症させないために気をつけることと、その予防方法を紹介します

室内の乾燥

部屋が常に乾燥していると老人性乾皮症になりやすいです。特に冬場は暖房器具により湿度が低くなるため、加湿器などを稼働させて室内湿度を約50~60%に保ちましょう。

熱すぎるお湯のお風呂、長湯

お湯の温度が高かったり、長湯をしたりすると皮脂を取り過ぎてしまい、乾燥が進みます。お湯はぬるめに設定しましょう。ヒアルロン酸、セラミド、シアバターといった保湿成分が入った入浴剤を入れるのもいいでしょう。お風呂上りはすぐに保湿をする習慣もつけたいですね。

体をゴシゴシ洗う

ナイロンタオルでゴシゴシ洗うと角層を傷つけ、皮脂を取り過ぎてしまいます。石けんやボディーソープも刺激の強いアルカリ性のものは避けて、弱酸性で低刺激のものを選びましょう。

化学繊維やウールなどチクチクした洋服

静電気の起きやすい素材や、チクチクした素材の服は、乾燥した肌に刺激を与えてしまいます。肌に触れる服には化学繊維やウールなどではなく、肌触りのいい綿100%のものを選ぶといいでしょう。

電気毛布

冬場、電気毛布をつけたまま就寝すると体の水分を奪って、肌の乾燥を進めてしまいます。寝る前まで温めて、布団に入る時にはスイッチを切っておくといいでしょう。

その他、食事の面にも気を配ってみましょう。卵や乳製品、レバーなどに含まれているビタミンAは、肌のターンオーバーを促してバリア機能を高めると考えられています。また、良質な油や脂質も肌の乾燥を防ぎます。バランスの良い食事に、肌の乾燥を予防する成分が含まれた食材を追加してみましょう。

おわりに

肌がかさつき、時にかゆみを伴うこともある「老人性乾皮症」は、思った以上に生活の質を下げてしまいます。日々保湿クリームを塗るのは大変かもしれませんが、「お風呂から出たら保湿する」といったようにケアの習慣をつけて防いでいきましょう。

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