お役立ち情報

2020年07月31日

テレワークが不眠の原因に?乱れた自律神経を整えるには

はじめに

「なんだかよく眠れないし、疲れもとれなくて仕事に集中できない」という不調は、自律神経のバランスが乱れているせいかもしれません。テレワークもその原因の一つになっているという自律神経の乱れについて、症状や対策、そして摂ると良い食べ物などを紹介していきます。

自律神経とは?

人間の体内には無数の神経が張り巡らされています。その中で、体温を調節したり呼吸をしたり、代謝や消化などさまざまな内臓の機能を調整してくれる神経を「自律神経」と言います。意識していなくても自律して動き、24時間働き続けている生命維持に欠かせない神経です。例えば、暑いと自然に汗が出てくるのも、自律神経の働きによるものです。

この自律神経には、昼間や活動しているときに働く「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに働く「副交感神経」の2種類があります。逆の働きをするこれら2つの神経が、バランスを取りながら体の状態を調節しています。

しかし、何らかの原因で「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れてしまうと、体に不調が現れ、場合によっては心にも不調が出てしまいます。その症状は次のようなものになります。

●全身に現れる不調…眠れない、だるい、ほてり、疲れがとれないなど

●体の器官に現れる不調…頭痛、耳鳴り、めまい、口の渇き、動悸、便秘や下痢、生理不順、手足の冷えやしびれなど

●心に現れる不調…情緒不安定、集中できない、イライラ、不安など。うつの症状が現れる場合も

以上のように、自律神経の乱れによる不調は多岐にわたり、人によって現れる症状はさまざまで、これらの症状が複数同時に出る人もいます。自律神経の乱れだけではなく、別の疾患の症状として不調が現れる人もいるため、気になる場合は病院での検査も検討しましょう。

テレワークも不眠の原因の一つ?自律神経を乱す生活リズム

では、そんなさまざまな症状を引き起こす原因を探っていきましょう。

まず、原因に挙げられるのがストレスです。
人間関係に悩んだり、仕事でプレッシャーを感じたり、精神的なストレスがあると、体がずっと緊張している状態になります。そうすると自律神経の中の「交感神経」だけが活発になってバランスが乱れてしまうのです。また、朝と夜の寒暖差が大きい時期などに、体が感じる身体的なストレスも自律神経を乱す原因になります。体温や発汗をひんぱんに調整しなければならなくなるため、2つの神経のバランスが崩れてしまうのです。

もう一つの原因は生活リズムの乱れです。
自律神経は24時間のサイクルでバランスを取っているため、朝起きて朝日を浴びて、夜はリラックスして質の良い睡眠をとることが必要です。夜勤や残業、夜更かしなど生活リズムが不規則になると、「交感神経」と「副交感神経」のリズムも乱れてしまいます。偏った食事や運動不足も、自律神経のバランスを崩す原因になります。また、進学や進級、引っ越し、仕事環境の変化などで、自分の中で決まっていたサイクルが崩れたときに、自律神経の不調が現れる場合もあります。

最近テレワークを始めたという人で、この原因に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

仕事場がオフィスから自宅になったことによる環境の変化や、仕事の相談をする人が近くにいない孤独感とコミュニケーション不足、家族を気にしながらの仕事…と、通勤に関するストレスから解放された人がいる一方、自宅での仕事にストレスを感じる人が増えています。先が見えない不安も大きなストレスですよね。外出が減ったために運動不足になる人もいるでしょう。食事の時間が不規則になったり、メリハリなく作業してしまい気づくと長時間仕事をしていたなど、生活リズムの乱れから自律神経のバランスを崩す人も多いようです。

テレワークと不眠

これらのストレスや運動不足は、特に不眠を招く原因になります。ストレスによって自律神経が興奮し続けてなかなか眠れず、運動量が足りないために眠りが浅くなり、不眠傾向に陥ってしまうのです。脳が十分に休息できない不眠は、精神面の不調を引き起こす可能性もあります。自律神経を整えるためには質の良い睡眠が必要ですが、自律神経が乱れているために眠れないという悪循環に陥っている場合もあります。テレワークが続いて、不眠の症状に悩まされていたら、自律神経の乱れに注目して対策を立てていくのもいいでしょう。

まずは食事から。自律神経を整える方法

ここでは、テレワークによって乱れてしまった自律神経を整える方法を紹介します。

まずは、交感神経と副交感神経の調節を図るのに重要な「セロトニン」という物質に注目しましょう。セロトニンは、精神を安定させる働きがあり、低下すると不安感が大きくなったり、うつやパニック障害などの精神症状を引き起こすと言われています。(厚生労働省「e-ヘルスネット セロトニン」より)また、セロトニンは質の良い睡眠を促す「メラトニン」の分泌を促進させるため、不眠対策としても注目の物質です。しかし、セロトニンは体内に貯めておくことができません。そこで、セロトニンを体内で生成するために、下記の栄養素が必要になってきます。

トリプトファン

体内で合成することができない必須アミノ酸のトリプトファン。脳に運ばれるとセロトニンを生成します。

・多く含まれる食材…牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品、豆腐・納豆・味噌などの大豆製品、卵、赤身の魚、ナッツ類、アボカド、バナナ、ごまなど

ビタミンB6

セロトニンを体内で合成するときに必要な栄養素です。

・多く含まれる食材…バナナ、さつまいも、玄米、まぐろ・かつおなどの赤身の魚など

炭水化物

トリプトファンからセロトニンを生成するために必要な栄養素。脳のエネルギー源になります。

・多く含まれる食材…白米、イモ類、バナナ、砂糖など

これらの栄養素を含む食材を、日々の食事にバランスよく取り入れてみましょう。セロトニンは就寝中には合成されません。質の良い睡眠の為にはメラトニンというホルモンが必要です。メラトニンはセロトニンを材料にして合成されます。日中セロトニンが生成されることで良い睡眠を得る事が出来ます。そこで朝食にトリプトファンを多く含む食材を取り入れた食事を心がけるとよいでしょう。食事をよく噛むことでセロトニン分泌は活性化されます。
また、バナナはセロトニンの生成を助けてくれる栄養素を全て含んでいるので、テレワーク中のおやつにおすすめです。

そのほか、日光を浴びることでもセロトニンが分泌されます。朝起きたらカーテンを開けるなど、積極的に日光を浴びましょう。ウォーキングやランニングなど、一定のリズムを刻む運動もセロトニンを増やすのに役に立つと言われています。
外出が減ってしまうテレワークですが、休憩時間や仕事終わりに、運動の時間を作ってみるのもいいでしょう。規則正しい生活をおくることも自律神経を整えるのに役立ちます。

そして、ストレス緩和も心がけましょう。慣れない環境での仕事などストレスが多いときには、交感神経が過剰に働いている場合があります。心を鎮める副交感神経が優位に働くよう、意識的にリラックスできる方法を取ることが大切です。例えば、仕事場とプライベートスペースを分けて、食事や休憩時間はパソコンの前ではなくプライベートスペースでゆっくりとるようにして、ときどきストレッチの時間を設けるのもいいでしょう。バスタイムは、ぬるめのお湯につかってみてはいかがでしょうか。

ストレスの緩和には「ビタミンC」を摂ることもおすすめです。ストレスを和らげる「抗ストレスホルモン」の分泌にビタミンCが必要になるのです。ビタミンCは、キウイフルーツやレモン、グレープフルーツなどの果物や、ブロッコリーやゴーヤなどの緑黄色野菜に多く含まれています。テレワーク中の水分補給にグレープフルーツジュースを選ぶのもいいでしょう。

ほかにも神経の伝達に重要な役割を果たす成分に、「カルシウム」「マグネシウム」が挙げられます。これらの成分は、イライラした気持ちや興奮を抑えて眠りにつきやすくする働きがあります。また、マグネシウムにはカルシウムの吸収を高める働きもあるので、マグネシウムが不足するとカルシウム不足にもつながります。下記の食品の摂取を心がけましょう。

カルシウム

・多く含まれる食材…牛乳・乳製品、小松菜、小魚など

マグネシウム

・多く含まれる食材…アーモンド、納豆、豆腐、海藻など

おわりに

自律神経はさまざまな原因によってバランスを崩してしまいますが、テレワークもその一つに挙げられます。体の不調に耳を傾け、自分に合った対策をとって、自律神経の乱れを整えていきましょう。

あわせて読まれている記事

  • 不眠・イライラ

    不眠・イライラ

    昼夜のリズムが崩れやすかったり精神的ストレスなどにより、不眠や神経症を抱えている人は少なくありません。睡眠補助剤としてドリエルや漢方薬などが発売されていますが、これらは環境の変化やストレスに一時的に対応するものです。入浴でしっかり体を温めるなど、生活習慣の改善も並行して実施しましょう。

  • 季節性うつ病

    季節性うつ病

    夏が終わり秋になり、過ごしやすくなるとともに日が短くなりだす頃。
    なんとなく鬱々として気分が晴れない、落ち込むような感覚になるという方がいます。
    これは決して気のせいなどではなく、季節性感情障害(SAD)という病気からくる症状です。
    季節の変わり目、特に日照時間が短くなる秋や冬に多く見られることから「季節性うつ」「冬季うつ」「ウインター・ブルー」など様々な呼ばれ方があります。(ここでは「季節性うつ病」で統一します)
    季節性うつ病はその名の通り季節によって症状が出る「周期性」と言えるものがあります。
    国や地域によって特徴がありますが、多くの国においては日照時間が短くなる10月~11月に発症し、日照時間が長くなる3月頃に回復する、といった具合で、これを毎年繰り返します。
    その症状の度合いによっては抗うつ剤の使用などの対応が必要なケースもありますが、基本的には生活習慣の注意によって症状の改善・軽減を図ることができます。
    しかし忙しい現代において生活習慣を変えるというのは簡単なことではありません。
    そこで季節性うつ病の治療の一環として、冷え性などの二次的な症状に漢方薬を使ってみるということから始めるのはいかがでしょうか。

  •  熱中症を予防したい

    熱中症を予防したい

    熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。

  • 花粉症をラクにしたい

    花粉症をラクにしたい

    花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
    花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。

  • 虫よけを効果的に使いたい

    虫よけを効果的に使いたい

    気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
    虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。

  • 衣替えのコツが知りたい

    衣替えのコツが知りたい

    日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。

  • タバコをやめたい

    タバコをやめたい

    パッチとガムはタバコの代わりにニコチンを摂取することにより禁断症状を抑えて禁煙を補助します。禁煙開始時の1日のタバコの本数が少ない場合はガムのほうが禁煙に成功しやすいと言われています。ニコチンを補充するため、ガムやパッチを使用している間はタバコを吸うことはできません。
    市販のニコチン製剤を使う以外にも、健康保険の適用を受けることができる禁煙外来を使うこともできます。こちらは医師の指導・管理の下で内服薬なども使用してニコチン依存症を治療します。禁煙外来による治療はパッチやガムなどのニコチン置換療法よりも禁煙成功率が高く、どうしても禁煙に成功しない場合は医療機関で相談するようにしましょう。
    また、タバコを吸うことでかなりのビタミンCが破壊され、皮ふのシミやシワが増え肌色を悪くします。

  • 健康診断の数値が気になる

    健康診断の数値が気になる

    現在の身体の状態を把握し、生活習慣病の予防や早期発見のために、毎年の健康診断は欠かせません。
    生活習慣病は病状が進行して初めて症状がでるものがほとんどですので、定期的な検査によって自身の身体変化を認識し、予防する必要があります。早期であれば、偏った食事や運動不足などのライフスタイルを改善することで、病状が軽快する場合があります。
    検査数値をそのままにし、病状の悪化によって医師による治療が必要になってしまう前に、自分自身で気になる数値をコントロールしましょう。

  • 入浴剤を選びたい

    入浴剤を選びたい

    発汗作用のある入浴剤やリラクゼーション効果の高いアロマオイル配合タイプなど、心身ともに1日の疲れにおすすめの入浴剤をチョイス!

    長時間入浴すると皮脂がはがれ落ちて皮膚のバリア機能が低下してしまいます。ぬるめのお湯で10~20分程度の入浴がおすすめです。

  • 野菜不足が気になる

    野菜不足が気になる

    厚生労働省が提唱する「健康日本21」では、野菜は1日に350g以上とることを理想としています。野菜を摂るように意識していても、目標量を摂取することは難しく、慢性的に野菜不足の方が増えているのが現状です。野菜が足りていないと、ビタミンやミネラル、食物繊維の不足により体調不良や免疫力低下、生活習慣病を招くことがあります。この特集では栄養不足を補う、栄養素が豊富な健康食品を紹介します。足りない栄養素はこれらによって多少補うことが可能ですが、野菜を摂らなくていいわけではありません。できるだけ普段の食事から野菜の栄養素、食物繊維などを摂れるように野菜中心の生活を心がけましょう。

  • 血糖値が気になる

    血糖値が気になる

    糖質はブトウ糖としてカラダ中へ運ばれます。健康な方でも食後には血糖値は上がり、食後2時間程度で血糖値は正常値に下がります。糖尿病になる前の段階の方(糖尿病予備軍・隠れ糖尿病)は、食後上昇した血糖値が下がりにくくなります。このような高血糖の状態が続くことで糖尿病や、動脈硬化を引き起こす危険もありますので、食後の血糖上昇を緩やかにすることが大切です。

[関連カテゴリー]

ページトップへ