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2021年03月02日

気づかない内に脂肪が増え筋肉が減っている【サルコペニア肥満】とは?

はじめに

「サルコペニア肥満」という言葉をご存じですか?
肥満の一種ですが、普通の肥満よりも厄介だと考えられています。以前は高齢者に多いと言われて来ましたが、自粛生活で体を動かす機会が減って、運動不足を感じる若い人にも注目してほしいサルコペニア肥満。知識を深めて、予防法を学んでいきましょう。

普通の肥満よりサルコペニア肥満に注意したいのはなぜ?

サルコペニア肥満とは、「筋肉が減少している」状態と「肥満」の両方を併せ持っている状態のことをいいます。サルコペニアという言葉には、「サルコ=筋肉」「ぺニア=減少」という意味があります。
単なる肥満だけの場合よりも注意したほうがいいといわれているサルコペニア肥満は、なぜ危ないのでしょうか。

生活習慣病や感染症のリスクが上がる

糖尿病や高血圧など、生活習慣病の原因となるのが肥満ですが、脂肪が増加しているものの、筋肉は減少しているため体重や体型に変化が少なく、自分ではなかなか気づけないのがサルコペニア肥満の特徴です。
また、筋肉は血糖値の調整を行う働きや、体温を上げて血行を良くして免疫を上げる働きを持っていますが、筋肉量が少ないと熱を作り出す力が少ないため体温が低く、免疫機能を低下させてしまいます。
見た目では分かりにくいため、発見が遅れてしまう分、通常の肥満よりリスクが高く、さらに、免疫機能の低下で感染症のリスクも高くなってしまうのが、このサルコペニア肥満の怖いところです。

筋肉量減少によるリスク

筋肉量の減少は、運動能力の中でも特に歩行能力に影響を及ぼすといわれています。それにより、転倒、骨折といった大きな怪我の原因となり、将来的に寝たきりのリスクの増加につながるのです。

メタボリックシンドロームとの違いは?

「見た目は肥満のように見えない」という点では、サルコペニア肥満とメタボリックシンドロームは共通点を持っています。
しかしメタボリックシンドロームは内臓に脂肪がついていますが、筋力が低下しているわけではありません。つまり内臓脂肪を落とすことができれば、メタボリックシンドロームは解消できるわけです。それに対してサルコペニア肥満は、脂肪を落とすだけでなく、筋肉の減少も改善しなければいけません。筋肉がついているか、減少しているか、この点が大きく違います。

食事制限だけのダイエットでなりやすい!?サルコペニア肥満の見分け方

サルコペニア肥満は「運動不足」と「栄養の偏り」が主な原因として挙げられます。筋肉量が少なく脂肪量が多い女性のほうがなりやすいといわれています。加齢も原因の一つですが、過度なダイエットや運動不足によって、若い人たちの中にも予備軍がいるので油断はできません。

過度な食事制限のダイエットが危ない理由

ダイエットというとまず食事制限を考える人もいるでしょう。過度な食事制限は、一時的に脂肪を減少させますが、筋肉を作る栄養素が不足して筋肉量の減少も招きます。筋肉が減ると体重も減りますが、脂肪燃焼力は下がり、脂肪が蓄積されていきます。これが、運動をせずに食事制限でダイエットを行うと、「隠れ肥満」の状態になってしまう流れです。
肥満の指標になるBMIは、25以上が「肥満」と分類されますが、25未満の普通体重の人の中にもサルコペニア肥満、サルコペニア肥満予備軍の人はいます。ダイエットをするときは体重だけではなく、体組成計などを取り入れ、筋肉量や体脂肪率も合わせてチェックしましょう。

※BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出します。

サルコペニア肥満チェック

見た目の変化が出にくいサルコペニア肥満。発見が遅れて手遅れにならないためにも、次のセルフチェックで自分の状態を確認しておきましょう。

・1分以上片足立ちができない
・椅子に座り片足で立てない
・歩行速度が遅くなった気がする
・握力が弱くなった気がする
・日ごろから運動不足である
・体重は変わらないのにお腹周りの脂肪が気になる
・過度なダイエットをしている
・体脂肪率が肥満レベル

もしこれらの症状に多く当てはまるようなら要注意。すぐに生活習慣を改善して対策を試みましょう。

運動と食事で筋力低下を予防しよう!

サルコペニア肥満対策には筋肉のもとになる食事と、脂肪を減らし筋肉を作る運動が重要です。

サルコペニア肥満対策に摂りたい栄養素

・筋肉づくりにはまずタンパク質
 
筋肉はタンパク質でできているため、良質なたんぱく質を摂ることが必要になります。タンパク質は、赤身の肉・魚、卵、大豆製品(納豆・豆腐・豆乳)、乳製品(チーズ・ヨーグルト・牛乳)に含まれています。肥満が深刻な人は医師と相談しながら、食事に摂り入れましょう。

・タンパク質の働きを助けるビタミンD
 
骨の成長に不可欠なビタミンDは、筋肉づくりのサポートにも重要な役割を持つ栄養素です。ビタミンDを多く含む食材は、サンマ・うなぎ・鮭・しらす干しなどの魚類や、舞茸・しいたけ・しめじなどのキノコ類などが挙げられます。タンパク質と合わせて摂取しましょう。

・カロリーを控えめにしながら炭水化物も
 
炭水化物抜きダイエットはよく聞くダイエット法ですが、炭水化物は体を動かすエネルギーになります。食べる量に注意しながら、肉や野菜などと一緒にバランスよく摂りましょう。

簡単な筋トレと有酸素運動で筋力アップ

サルコペニア肥満の予防に、家でもできる「スクワット」「ももあげ」などの下半身を鍛える筋肉トレーニングがおすすめです。下半身は筋肉量が多いため効率よく筋力アップを行えます。筋肉の維持には、ウォーキングなどの有酸素運動を生活習慣に組み込みましょう。もちろん無理は禁物です。痛みの出ない範囲で行ってください。
ダイエットサプリを併用するときは、運動の脂肪燃焼率をより高められる脂肪燃焼サポート系のサプリを摂り入れるのがおすすめです。

おわりに

気づかずに進行し、生活習慣病のリスクを高める「サルコペニア肥満」は厄介です。しかし、その予防法はとっても簡単。タンパク質を重視したバランスのいい食事と、適度な運動で防ぎましょう。心当たりがある方は、これらの予防法を日常生活に取り入れていきたいですね。

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