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2020年01月30日

正しい応急処置が「急性アルコール中毒」から命を守る

はじめに

アルコールに慣れていない人、特に大学生や新社会人が勢いで一気飲みなどをして引き起こすことが多い「急性アルコール中毒」。
救急車で搬送される人の半数以上が20歳代というデータがあります(東京消防庁「他人事ではない「急性アルコール中毒」」より)。
しかし、体調や体質によって誰にでも生じる中毒症状は、最悪の場合、死に至るケースもあります。
そんな「急性アルコール中毒」の段階別の症状や、状態ごとの応急処置を紹介します。

急性アルコール中毒とはどんな状態?

急性アルコール中毒とは、一気飲みなどでアルコールを短時間に大量摂取したことにより、血中アルコール濃度が急上昇して、脳に影響を与える中毒症状のことを言います。

まずはほろ酔い状態から、急性アルコール中毒に至る症状の変化を把握しましょう。

ほろ酔いの状態

●血中アルコール濃度…0.02%~0.1%程度

陽気になる。体温が少し高くなる。リラックスした気分。

軽度(酩酊期)の症状

●血中アルコール濃度…0.1%以上

気が大きくなる。大声を出したり、怒りっぽくなる。立つとふらつき、千鳥足になる。吐き気や嘔吐。呼吸が早くなる。

重度(昏睡期)の症状

●血中アルコール濃度…0.4%以上

呼びかけても起きない昏睡状態。失禁。血圧低下。呼吸の回数が少なくなる。脳の呼吸中枢が正常に働かなくなり、呼吸停止。死に至るケースも。

(厚生労働省「e-ヘルスネット 急性アルコール中毒」より)

ただ、一気飲みなど羽目を外した飲み方だけを注意しなければいけないわけではありません。アルコールの分解ができなかったり遅いことが中毒を引き起こす原因になるため、お酒を飲むと顔が赤くなる人は、アルコールの分解が遅いと考えられ、少量の飲酒でも急性アルコール中毒になる危険性があります。

急性アルコール中毒が疑われる場合は?

もし一緒に飲んでいる人が急性アルコール中毒と思われる症状になってしまったらどうしたらいいのでしょう。軽度の場合でも、体に直接表れる中毒症状の他に、吐いたものが喉に詰まったり、足元がふらついて転倒、電車との接触などの危険があります。決して1人にしてはいけません。

意識はあるが、酔いつぶれてしまった場合

・必ず誰かがそばにいて、ときどき脈があるか呼吸はしているかを確認。
・水やお茶、スポーツドリンクなどを飲ませて、血中のアルコール濃度を下げる。

意識を失ってしまった場合

・急性アルコール中毒になると体温が下がるため、上着や毛布などをかけて体を温める。
・仰向けで寝かせると吐いたもので窒息の危険があるため、横向きの回復体位で寝かせる。

回復体位とは

呼吸が妨げられないようにする体位です。身体の向きを横にして、頭を反らせて気道を確保し、その際、嘔吐物が自然と流れるように口元は床に向けます。上の足の膝を90度に曲げて腹部に近づけておきます。長時間回復体位にする場合は、約30分ごとに反対向きの回復体位を取り、血液の循環が悪くならないようにしましょう。
(東京消防庁「他人事ではない「急性アルコール中毒」より)

こんな症状が出ていたら要注意!

・両肩を軽くたたきながら呼びかけても反応がない
・体が冷え切っている
・呼吸が途切れたり、浅くて早い
・大量の嘔吐や血を吐いている
・口から泡を吹いて倒れている

命にかかわる可能性があるので、すぐに救急車を手配してください。

急性アルコール中毒にならないために

お酒が強い人でも体調により、急性アルコール中毒になる場合もあります。お酒を心地良く飲める「ほろ酔い」状態になる飲酒量は、性別や体格、体質、その日の体調など様々なものに起因して変わってきます。自分が急性アルコール中毒にならないのはもちろんのこと、周囲の人を危険にさらさないよう飲酒する際は下記のことに注意しましょう。

まずは自分がならないために

【一気飲みなど短時間で大量に飲酒しないようにする】

短時間の過度な飲酒は血中アルコール濃度を急上昇させ、脳内の神経細胞を麻痺させてしまいます。

【自分の適量を知り、その日の体調も把握する】

お酒に慣れていない人は、相手のペースに合わせずまず自分の適量を確認。薬を服用しているときは飲酒を控えましょう。

【空腹時を避ける】

空腹の場合、アルコールが胃腸から早く吸収されてしまいます。事前に何か食べておくか、つまみなどを取るようにしましょう。

強要せず、させない飲みの場に

【飲酒を強要しない】

「飲んだら強くなるよ」や「最初の乾杯くらい飲んだら」など飲むのを渋っている人に飲酒の強要は絶対NG。酔いやすい体質は遺伝的な要素が強く、飲酒の経験により変化するものではありません。数滴摂取しただけで、体調が急変する人もいます。無理強いしない飲酒マナーは広がってきていますが、飲み会などの席では「させない」雰囲気を作ることも大切です。

おわりに

「急性アルコール中毒」は正しい知識があれば回避することが可能です。もし中毒症状がみられた場合は、その場の応急処置だけでなく、すぐに救急車を手配しましょう。

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