お役立ち情報

2018年10月02日

のどが赤く腫れてつらい...その症状は「溶連菌感染症」かも?

はじめに

急にのどが痛んで熱が出れば、大抵の人はまず「風邪かな?」と考えることでしょう。もちろん、その可能性もありますが、特に患者が子供なら、「溶連菌感染症」を疑ってもいいかもしれません。

こちらは学童期の子供に多い病気のひとつで、のどの痛みが風邪より強いといわれています。ただ、適切な治療さえ受ければ、ほんの数日で回復が見込めるので、あわてず医師の診断を仰ぐことが大切です。ここではそんな溶連菌感染症の特徴を確認してみましょう。

細菌による、ごく身近なのどの疾患

「溶連菌感染症」とは略称で、正式には「A群溶血性レンサ球菌感染症」などと呼ばれています。温帯地域をはじめ、広く世界中に分布する急性の疾患であり、その代表的な疾患として主にのどの粘膜に溶連菌が入り込むことで発症するのが「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」です。

溶連菌はごくありふれた細菌のため、すべての年齢層の人が感染します。とはいえ、大人や乳児は保菌者となっても、それほど症状が表に出てこないようです。ただ、大人はまれに「劇症型溶連菌感染症」のように重症化する場合があります。また、「大人は咽頭痛に加え、激しい頭痛、関節痛、倦怠感など、インフルエンザに似た症状が主体のことが多く、インフルエンザ検査陰性ゆえに『風邪』と診断されるケースが多い」とも言われています。

対して幼児や学童は多く発症し、3~13歳くらいは注意が必要です。学校などで蔓延しやすいうえに、溶連菌はワクチンがないため、繰り返し発症するケースも珍しくありません。

こうした事情から、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、特定の小児科医療機関で発生動向を定点観測しています。流行のピークは冬場と春から初夏にかけてですが、発生件数はインターネットでも公表されているので、気になる人は「自治体名+A群溶血性レンサ球菌咽頭炎+感染症発生動向調査」で検索してみましょう。

例:東京都感染症情報センター

【劇症型溶血性レンサ球菌感染症】

溶連菌はまれに重篤な「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」を引き起こします。そのメカニズムはよくわかっていませんが、発症すると急速に進行し、体が壊死したりもするのです。患者は30代以上が多く、致死率は30%にも上るため、「人食いバクテリア」とも呼ばれています。

のどの痛みが最大の特徴

溶連菌の潜伏期間は2~5日です。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の初期症状は、風邪やインフルエンザに似ているので、混同しないように気をつけましょう。

【症状】
突然の発熱、のどの痛み、全身倦怠感、吐き気、頭痛、腹痛、首筋のリンパ節の腫れなどが現れます。風邪と異なる点は、せきや鼻水がないことです。さらにイチゴ舌と呼ばれる赤い斑点が出たり、全身の皮膚に赤い発疹が出ることもあります。

【診断】
綿棒でのどの粘膜などをぬぐって検体を採取し、1~2日培養することで溶連菌かどうかを確かめます。また、迅速抗原キットを利用すれば、5~10分ほどで結果を得ることができます。

【治療】
ペニシリン系の抗生剤が有効で、ほとんどの場合、処方薬を飲めば1~3日で症状が改善します。ただし、「落ち着いたから」と自己判断で薬の服用を止めてしまうと、急性糸球体腎炎などの合併症を起こす可能性があります。薬は7~10日分は出されるはずなので、必ずきちんと飲みきって溶連菌を完全に撃退してください。

予防の基本は「うがい・手洗い」

溶連菌は感染力が強く、せき・くしゃみなどによる飛沫で簡単に広がります。以下のようなことに気をつけて予防してください。

・こまめにうがい・手洗いを行いましょう。

・マスクを着用しましょう。

・家庭内感染も多いので、食器やタオルの使い回しはやめましょう。

・消毒用エタノールで手指や身の回りの品々を拭き、清潔さを保ちましょう。

発症してしまったら

周囲に溶連菌を広げないためにも、きちんと治療を受けることが大切です。無理せず自宅で回復に努めてください。

・抗生剤を飲んで安静にしましょう。

・食事はのど越しの良いゼリー、ヨーグルト、プリン、ポタージュスープ、おかゆなどがオススメです。「熱い」「辛い」「すっぱい」「苦い」といった刺激物は避け、炭酸水も控えましょう。

登校・登園の目安は?

「抗菌薬を服用してから24~48時間が経過していること」です。熱のダメージから体が回復しているかなども踏まえ、周囲が子供の体調を見極めてあげましょう。

おわりに

実は『若草物語』などに出てくる「猩紅熱」も、溶連菌感染症の一種です。猩紅熱といえば、20世紀半ばまでは隔離入院が必要でしたが、ペニシリンの発見のおかげで治療が容易になりました。通常の溶連菌感染症はすでに危険な病気ではありませんが、それでも油断は禁物です。医師の指示に従って、一定期間、薬を飲み続けることを徹底しましょう。

あわせて読まれている記事

  • コンタクトの不快感

    コンタクトの不快感

    瞳の呼吸を確保するために潤いは必須であり、乾いてしまうと酸欠になった瞳に酸素を運ぶために血管が伸び充血してしまいます。また、乾燥によって角膜がダメージを受けやすくなってしまいます。コンタクトレンズを外している間のアイケアも、ドライアイ予防のために重要です。

  • 健康な歯を保ちたい

    健康な歯を保ちたい

    虫歯の放置で細菌により神経まで破壊され、最終的には治療で歯を維持することが困難になり抜歯という結果になってしまいます。
    歯を失うことになってもインプラントによって歯を再建することができますが、自分の歯で生きていくことができればそれに越したことはありません。高額な治療費に加え口腔内の手術を伴うため絶対に安全とは言えませんし、施術後もインプラントの状態確認やメンテナンスなども必要になります。
    また、歯周病や噛み合わせの問題を放置することは肩こりや頭痛などの原因になったり、不眠や感染症、糖尿病にまでつながっています。
    歯科や口腔外科での治療が必要な状態になる前に、歯を失ってしまうようなことになる前に、日ごろのケアで「歯の健康」を保つことができる商品がたくさんあります。
    「歯の健康」のトラブルは重大な疾患を招く可能性があることを知り、日頃からオーラルケアをしっかりと行うように心がけることが大切です。

  • 口内炎

    口内炎

    口内炎といえばほっぺたの内側にできる痛い痛い白いものを思い浮かべますが、歯ぐきにできる「歯肉炎」、舌にできる「舌炎」、唇の端にできる「口角炎」などなど、口の周りにできる炎症の総称です。
    原因は様々ですが、最も多いのが原因がハッキリしていない「アフタ性口内炎」と呼ばれるものです。また、口の中を噛んでしまったり、入れ歯などが当たって傷んだものを「カタル性口内炎」と呼びます。治療には塗り薬や貼り薬、予防的に内服薬などを用いますが、口の中が痛くなるため食事に与える影響が大きく、素早い対処が必要になります。

  • 口臭

    口臭

    口臭の原因は様々ありますが、主に口の衛生環境と体内の原因物質が血流に乗って呼気中に出てくるものに大別されます。お口のエチケット程度であれば消臭剤などで対応すればいいが、口の場合は歯槽膿漏や虫歯が潜んでいる場合もあり治療が必要なケースもあります。内側からの臭いには胃や他の内臓の疾患が隠れている場合もあるため注意が必要。

  • 毛髪の悩みを解決したい

    毛髪の悩みを解決したい

    壮年性脱毛症には遺伝的要因によるものと環境的要因によるものがあります。リアップシリーズが有効なタイプは遺伝的要因によるもので、頭髪が薄くなってくる部位など効果が期待できる状態が限定されます。一方、環境的要因によって発生する脱毛に有効な医薬品は脱毛のパターンについて限定されず、主に毛根への栄養供給を促進することによって残っている毛髪を抜けにくくし、そして育てます。「発毛剤」(リアップシリーズ)と「育毛剤」の違いに注意が必要です。また、環境的要因の一つとして頭皮の衛生環境もあります。シャンプーを変えることによって頭皮の衛生環境を改善することで栄養や薬剤の浸透が格段に良くなることが期待されます。

  • 疲れ目

    疲れ目

    「疲れ目」と「眼精疲労」は別物です。休憩したり睡眠をとることで回復するのが「疲れ目」、これらが全く回復せず、肩こり・頭痛・吐き気などにエスカレートするのが「眼精疲労」です。目薬や内服などの他、温めたり冷やしたりしてリフレッシュし、早めに回復させましょう。

  • 目のかゆみ

    目のかゆみ

    目のかゆみはアレルギーによるもの(アレルギー性結膜炎)、感染症によるもの、ビタミンB2欠乏による荒れがあります。炎症を伴う場合は冷やすことでかゆみを軽減できることもあります。発熱や極端な充血を伴う場合は医師の指示を仰ぎましょう。

  • 頭痛

    頭痛

    ひとたび始まってしまうと仕事にもプライベートにも大きな影響を及ぼしかねない頭痛。
    痛みの程度も、場所も、痛みへの耐性も違いますし個人差もあります。しかも見えない痛みなのも厄介です。
    また、一言に頭痛といっても様々な症状がありますが、大きく分けて片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の3種に分類できます。
    このうち片頭痛と群発頭痛は通常の痛み止めでは対処が難しいため医師の診察と投薬が必要になります。
    また、吐き気や意識障害を伴う激しい頭痛は脳血管に何らかの問題が発生している可能性もあるため、必要に応じて救急車を呼ぶことも考える必要があります。
    市販の痛み止めや漢方薬などで対応できるもののほとんどは緊張型頭痛で、目や肩・首の筋肉の疲れ・緊張が主な原因です。
    一般用医薬品には非常に多くの頭痛薬が存在しますが、成分や目的に応じて鎮痛成分一つだけだったり鎮痛補助成分を一緒に配合していたりと処方内容が大きく違います。
    鎮痛補助成分が配合されていると頭痛に対しては効果的ですが眠気などの副作用が多くなったり、頭痛以外の痛み(例えば腰痛など)に使う際には補助成分は余計なものになってしまいます。
    また、解熱鎮痛成分は肝臓や腎臓への負荷も小さくなく、年齢によって使用できる成分の種類や量が細かく定められています。
    いつ、誰が、どんな目的で使うのかを考えて薬を選ぶようにしましょう。

  • 頭皮の悩み・症状

    頭皮の悩み・症状

    かゆみ、フケ、湿疹、やたら脂っぽい、なんだか臭う…頭皮の悩みは意外と少なくありません。しかも自分では直接見ることができないうえに、毛髪により触って状況を確かめることも簡単ではありません。 症状は様々ですが原因はそれほど多くはなく、頭皮の乾燥や過剰な皮脂分泌、それに伴う頭皮の細菌バランスの崩れ、シャンプーや毛染めなどの化学物質との接触による炎症などです。 この中でも細菌のバランスの崩れは厄介で、頭皮にもともと存在してる菌が大量の皮脂で増殖しすぎると「脂漏性湿疹」という疾患になり、程度によっては医療機関で抗真菌薬のローションなどで治療する必要が出てきます。

  • かぜの症状をやわらげたい

    かぜの症状をやわらげたい

    本来感冒症状(風邪)は、しっかり栄養をとってゆっくり休んで治すものであり、薬はその間の症状を緩和するための補助的なものに過ぎません。薬の得意分野も様々ですので、症状と体質・生活習慣に合った薬を選びましょう。栄養ドリンクや補水液を併用するのも効果的です。

  • せき・たん

    せき・たん

    咳は非常に厄介な症状ですが、体の防衛反応でもあるため安易に薬を飲んで止めるのもよくありません。
    しかし激しい咳はそれだけで体力を消耗し睡眠にも大きな影響を及ぼします。これが長期化することで更に体調を悪化させてしまったり、持病を悪化させてしまうことにも繋がりかねません。
    安易に薬を使うべきではないのですが、睡眠をしっかりと取れるくらいにはコントロールできた方が短期間で回復できることもあります。
    ところが、防衛反応のひとつである咳やたんを薬で完全に制御することは非常に難しく、薬も「少し楽になるくらい」のものと捉えたほうがいいでしょう。
    効かないからといって量を増やしたり複数の種類の薬を併用することは避けてください。
    2週間を超える長い咳は風邪の延長ではなく、マイコプラズマ肺炎や気管支炎などの疾患が隠れている可能性があります。
    色のある「たん」が多い、発熱も伴っているなど、ただの咳ではない兆候がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

  • 鼻炎

    鼻炎

    鼻炎は蓄膿症などに代表される継続した症状が特徴の慢性鼻炎、感冒(風邪)の時などに一時的に発生する急性鼻炎、花粉症などアレルギー物質に対する反応として発生するアレルギー性鼻炎に分けられます。症状に適した薬を選ぶことで副作用を抑えつつ効果的に使用することが可能になります。状況にあった薬を選びましょう。

  •  熱中症を予防したい

    熱中症を予防したい

    熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。

  • 使い捨てマスクランキング2019!

    使い捨てマスクランキング2019!

    今やマスクの用途はカゼ・花粉対策だけではありません。
    防寒や乾燥予防、妊娠中、すっぴん隠し、おしゃれ用など目的は多様化し、季節を問わず着用されているのを見かけます。
    『使い捨て』ということもあり価格で選ばれる方が多い傾向にありますが、肌にやさしいもの、より新しい機能を取り入れたもの、ビジュアル面に力を入れたものなどさまざまな商品がしのぎを削っています。
    こちらの特集では2018年~2019年度の使い捨てマスクを様々な面からランキング付けしていきます。是非マスク選びの参考にしてください。

  • 花粉症をラクにしたい

    花粉症をラクにしたい

    花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
    花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。

  • 虫よけを効果的に使いたい

    虫よけを効果的に使いたい

    気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
    虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。

  • 衣替えのコツが知りたい

    衣替えのコツが知りたい

    日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。

[関連カテゴリー]

ページトップへ