2018年09月06日
毎年冬期を中心に猛威をふるうインフルエンザ。つらい症状はさることながら、高齢者や小児、慢性の病気を持つ方は特に重症化のリスクが高く十分な注意が必要です。インフルエンザとはどのようなものなのか、今一度確認してトップシーズンに備えましょう。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによっておこる急性の呼吸器感染症です。インフルエンザにはどのような特徴があるのか、風邪との見分け方のポイントなどを学んでいきましょう。
インフルエンザウイルスには、A、B、Cの3つの型があります。このうち、季節性インフルエンザとして流行して広がるのはA型かB型です。
A型インフルエンザはさらに140種類以上の型があり、変異や進化を繰り返しています。こうして新しく生まれた型が新型インフルエンザと呼ばれています。通常のインフルエンザは一度かかると免疫ができますが、新型インフルエンザに対してはまだ免疫を持たないため、急速に拡大・蔓延するおそれがあり、注意が必要です。
一般的にB型はA型に比べて発熱などの症状が出にくく、胃腸の症状がメインとなる傾向があることから、インフルエンザと気付かない場合もあります。
毎年の予防接種で使われるワクチンはその年流行するであろう型を予測し、その型にあったワクチンを作っています。
近年国内で流行している主な型は、AH3亜型(香港型)、AH1pdm09(2009年に流行した新型インフルエンザ)、B型山形系統と呼ばれる型です。
インフルエンザの主な感染経路は、感染者の咳やくしゃみの飛沫が鼻・口から入ることによる「飛沫感染」、空気中のウイルスを含んだ空気を吸い込んで感染する「空気感染」、ウイルスのついた手やものから感染する「接触感染」です。
感染後、発症までの潜伏期間は1〜5日間です。
風邪もインフルエンザもウイルス性の疾患という点では同じですが、原因となるウイルスが違うため、その症状も異なります。
風邪は鼻水・のどの痛み・咳といった症状が中心で全身症状はあまり見られません。
それに対してインフルエンザは倦怠感・関節痛・筋肉痛・頭痛・食欲不振といった全身症状が強く出ること、38℃以上の発熱が急激に起こることが特徴です。
「全身症状」と「38℃以上の急激な発熱」
この2つの違いを抑えておきましょう。
インフルエンザかもしれないと思ったら、まずは何をすればいいのでしょうか? どのように対処するかがその後の明暗を分けます。治療と対処法について学んでいきましょう。
一般的に医療機関での治療にはインフルエンザウイルスの増殖を抑える“抗インフルエンザ薬“と呼ばれるお薬が使われます。抗インフルエンザ薬は、発症後48時間以内に服用することで効果を最大限に発揮するといわれているため、インフルエンザの疑いがある場合には早めに医療機関を受診することが大切です。
熱が出ているからと言って市販の風邪薬や解熱剤を安易に使うと、治りや発覚が遅くなったり、副作用を引き起こす可能性があります。自己判断で使うのは絶対にやめましょう。
医療機関にてインフルエンザと診断された場合は、安静と十分な睡眠・水分補給を意識することが重要です。
外出はできる限り避け、マスク着用や手洗いを心がけて感染が拡大しないように気をつけましょう。
インフルエンザは、学校保健安全法という法律に基づいて出席停止期間が定められています。
以下2つの条件を両方とも満たすまでは登校が認められません。
①発症後5日間経過すること
②熱が下がってから2日(幼児は3日)経過すること。
インフルエンザによる出席停止は、基本的には欠席扱いになりません。無理をせず、体をしっかり回復させてから登校させましょう。
学校ごとに決められた提出書類がある場合が多いので、学校と医療機関それぞれに確認して手続きするようにしましょう。
普通の風邪とは違って症状も重く、感染力も高いインフルエンザ。もしかしてインフルエンザかも!?となってから慌てないためにも、正しい情報をもとにしっかりと対策を立てておくことが大切ですね。
かぜの症状をやわらげたい
本来感冒症状(風邪)は、しっかり栄養をとってゆっくり休んで治すものであり、薬はその間の症状を緩和するための補助的なものに過ぎません。薬の得意分野も様々ですので、症状と体質・生活習慣に合った薬を選びましょう。栄養ドリンクや補水液を併用するのも効果的です。
せき・たん
咳は非常に厄介な症状ですが、体の防衛反応でもあるため安易に薬を飲んで止めるのもよくありません。
しかし激しい咳はそれだけで体力を消耗し睡眠にも大きな影響を及ぼします。これが長期化することで更に体調を悪化させてしまったり、持病を悪化させてしまうことにも繋がりかねません。
安易に薬を使うべきではないのですが、睡眠をしっかりと取れるくらいにはコントロールできた方が短期間で回復できることもあります。
ところが、防衛反応のひとつである咳やたんを薬で完全に制御することは非常に難しく、薬も「少し楽になるくらい」のものと捉えたほうがいいでしょう。
効かないからといって量を増やしたり複数の種類の薬を併用することは避けてください。
2週間を超える長い咳は風邪の延長ではなく、マイコプラズマ肺炎や気管支炎などの疾患が隠れている可能性があります。
色のある「たん」が多い、発熱も伴っているなど、ただの咳ではない兆候がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
鼻炎
鼻炎は蓄膿症などに代表される継続した症状が特徴の慢性鼻炎、感冒(風邪)の時などに一時的に発生する急性鼻炎、花粉症などアレルギー物質に対する反応として発生するアレルギー性鼻炎に分けられます。症状に適した薬を選ぶことで副作用を抑えつつ効果的に使用することが可能になります。状況にあった薬を選びましょう。
熱中症を予防したい
熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。
花粉症をラクにしたい
花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。
虫よけを効果的に使いたい
気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。
衣替えのコツが知りたい
日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。
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