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2018年06月27日

夏に流行する「ヘルパンギーナ」にご用心!

はじめに

ヘルパンギーナは、乳幼児を中心に流行する代表的な「夏かぜ」のひとつです。急な発熱や口の中にあらわれる水ぶくれ状の発疹などが特徴の急性ウイルス性咽頭炎です。ヘルパンギーナのことはもちろん、「手足口病」や「プール熱」といった他の夏かぜとの違いも知っておきましょう。

ヘルパンギーナってどんな病気?

ヘルパンギーナの主な症状や原因となるウイルス、感染経路、潜伏期間などの基本情報をまとめてご紹介します。

主な症状

潜伏期間は2〜4日。突然の39℃以上の発熱が初期症状です。その後、のどの痛み、直径1〜2mm、大きいもので5mm程度の水ぶくれが口腔内の頬の内側の柔らかい粘膜(口蓋弓 こうがいきゅう)からのどの奥の食道につながる部分(軟口蓋 なんこうがい)にかけて多数あらわれます。

急な高熱で熱性けいれんを起こすことがあります。高熱は通常2〜4日程度続きます。

のどの中の水ぶくれは2〜4日でつぶれ、潰瘍(かいよう)状になります。潰瘍の痛みのために飲食が困難になることもあり、特に脱水症状には注意が必要です。潰瘍の痛みは1週間程度で完治します。

原因となるウイルス

ヘルパンギーナの原因となる主なウイルスは、コックサッキーウイルスA群。アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いウイルスです。ちなみに一度罹患すると免疫ができますが、稀に他の型に感染することもあります。

流行する季節

6〜8月にかけて流行します。5月頃から徐々に増え始め、7月にピークを迎えます。9月に入るとほとんど見られなくなります。

感染経路

主な感染経路として、以下のものが挙げられます。

・くしゃみなどによる「飛沫感染」

・ウイルスの付着した手が触れるなどして起こる「接触感染」

・便などの排泄物の中に含まれるウイルスが口に入ることによって起こる「糞口感染」

・ウイルスの入った食べ物を口にすることで腸内で感染する「経口感染」

症状が出ている最中はウイルスが多く排泄され、感染力も強いです。さらに回復後も、2〜4週間は便からウイルスが出ている場合があります。

患者の割合

患者の年齢は5才以下の子どもが90%を占めます。中でももっとも多いのは1歳台です(国立感染症研究所データより)。

大人が発症することはまれです。しかし大人が発症すると高熱・水泡ともに子どもより期間が長引き、重症化する傾向があるといわれています。大人が発症する理由は、ヘルパンギーナにかかった子どもを看病したことによる二次感染が多いため、大人もウイルス感染しないように予防を心がけることが大切です。

ほかの夏かぜとどこが違う? 代表的な夏かぜの種類とその特徴

夏季に流行する夏かぜには、ヘルパンギーナの他にも手足口病やプール熱などがあります。原因となるウイルスや症状の違いを知っておきましょう。

ヘルパンギーナ

・原因ウイルス:コックサッキーA群

・主な症状:39℃以上の高熱、のどの痛み、口腔内の頬の内側の柔らかい粘膜からのどの奥の食道につながる部分に水疱

・感染経路:飛沫感染、接触感染、糞口感染、経口感染

・注意点:高熱による脱水症状や熱性けいれんに注意。のどの痛みで飲食が困難になるので刺激のある食べ物を避ける

手足口病

・原因ウイルス:エンテロウイルス、コックサッキーA群

・主な症状:口腔内の唇の裏側からのどの奥にかけて、手のひら、足の裏、足の甲などに水ぶくれ。発熱は少なく、ヘルパンギーナに比べて症状は軽め

・感染経路:飛沫感染、接触感染、糞口感染、経口感染

・注意点:のどの痛みで飲食が困難になるので刺激のある食べ物を避ける

プール熱(咽頭結膜炎)

・原因ウイルス:アデノウイルス

・主な症状:発熱、頭痛、食欲不振、全身の倦怠感、のどの痛み、結膜炎(目の充血)が3〜5日続く

・感染経路:プールの水を介して接触感染、飛沫感染、経口感染

・注意点:生後間もない乳幼児や老人が感染すると重症化することがあるので注意。学校保健法により、症状が落ち着いて2日が経過するまでは出席停止が義務づけられている

ヘルパンギーナの対処法と予防法

ヘルパンギーナの対処法

ヘルパンギーナには特効薬がありません。そのためヘルパンギーナによるそれぞれの症状を抑える薬を処方します。そして水分と栄養補給に気をつけながら自然治癒を待つのが治療の基本です。しかし発熱が3日以上続く場合や、頭痛、嘔吐、脱水症状などがある場合は、早めに受診をするようにしてください。

口の中にできた水ぶくれ、水ぶくれがつぶれた潰瘍がつらくてものを食べにくくなりますので、熱いものや辛いもの、塩分の多いものは避け、柔らかくてあまり噛まなくても飲み込みやすい食事を心がけましょう。

ヘルパンギーナになったら出席停止になるの?

ウイルスの排出期間は2〜4週間と長期に渡るのですが、感染力が強い時期を避ければこの疾病の症状はほぼ軽症であるため、登園/登校停止は義務づけられていません。ただし、感染のために欠席が多くなり、学校の授業などに支障をきたす場合は、学校長と学校医が相談の上、出席停止となる場合もあります。

しかし、日常生活の行動を介して移ることもある感染症なので、感染拡大を防ぐ配慮をすることが大切です。

感染を防ぐ、そして拡大させないためのポイント

ヘルパンギーナは、インフルエンザなどと違い予防薬がありません。主に手指が接触することや、くしゃみなどの飛沫により感染するので、身の回りを清潔に保つことが感染予防の基本です。

● こまめな手洗い、消毒、うがい。特に子どもの排泄物処理のあとはしっかりと行う

● 咳やくしゃみによる感染拡大を防ぐためマスクを着用

● 食器やタオルの共用は避ける。

● 治癒後も2週間〜1カ月程度はウイルスが便や鼻水に含まれているため感染リスクがある

おわりに

ヘルパンギーナは夏に流行するウイルス性の感染症です。他の夏かぜとの違いを確認し、適切に対処しましょう。

もしヘルパンギーナにかかってしまったら、汗をたくさんかき、体力を消耗しやすい夏だけに、脱水症状と栄養補給に十分注意して、スムーズに回復できるように心がけたいですね。

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