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2017年07月07日

症状別!鎮痛剤の違いと選び方

はじめに

「痛み」は体が教えてくれる注意信号です。体で起こっている炎症の場所や、無理な負担がかかっている場合の危険を教えてくれています。健康でストレスのない生活を送るためにも、「痛み」が発生したら生活を見直すべきです。

しかし、そんなことを言っても現代社会で生きていく上では多少の体への負担は避けられませんよね。ただ、市販されている、痛みを抑える薬を正しく選び使用することで快適な生活を送ることができます。
この記事では、症状に応じた鎮痛剤の違いと選び方をご説明します。

症状別の選び方

1.頭痛を抑えたい場合

頭痛の場合には以下の成分が入っている鎮痛剤を選ぶと良いでしょう。

•ロキソプロフェン

•イブプロフェン

•アセトアミノフェン

•アスピリン

•イソプロピルアンチピリン (ピリン系)

主な商品

•ロキソニンS (ロキソプロフェン)

•イブA錠EX (イブプロフェン)

•タイレノール(アセトアミノフェン)

•セデス・ハイ(イソプロピルアンチピリン)

ロキソニンSは効き目も早く、胃への負担も優しく、眠くならないので使いやすい痛み止めです。しかし第1類医薬品のため、どこのドラッグストアでも買える商品というわけではありません。また、ロキソニンSは鎮痛剤だけの錠剤なので頭痛に対して鎮痛剤をサポートする成分が入っておらず、必ずしも全ての痛み止めよりも優れているというわけではありません。

薬剤師が不在でロキソニンSが買えない場合でも症状に合わせて薬を選ぶことで十分に対応できます。例えばイブA錠EX(指定第2類医薬品)はイブプロフェンを最大量配合した上に鎮静成分を配合して痛み止めの作用をサポートします。

セデス・ハイに配合されているイソプロピルアンチピリンは他の鎮痛剤とは全く異なる痛み止めで、特に頭痛に対してはとてもよく効きます。ただし、アレルギー体質の方はピリンアレルギーを起こす可能性があるので注意が必要です。

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2.生理痛を抑えたい場合

生理痛の場合には以下の成分が入っている鎮痛剤を選ぶと良いでしょう。

•イブプロフェン

•ロキソプロフェン

•アスピリン

•アセトアミノフェン

主な商品

•エルペインコーワ(イブプロフェン)

•ロキソニンS(ロキソプロフェン)

•バファリンA(アスピリン)

•小中学生用ノーシンピュア(アセトアミノフェン)

ロキソニンSは万能タイプの鎮痛剤ですが、生理痛に対しては子宮への移行性が高いイブプロフェンを使用した方が効果的です。ご紹介したエルペインコーワはイブプロフェンに加えて子宮の筋肉が過剰に収縮するのを抑える鎮痙剤を配合した生理痛の痛み止めです。

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3.歯痛を抑えたい場合

歯痛の場合には以下の成分が入っている鎮痛剤を選ぶと良いでしょう。

•ロキソプロフェン

•イブプロフェン

•アセトアミノフェン

主な商品

•ロキソニンS(ロキソプロフェン)

•リングルアイビー200(イブプロフェン)

歯痛に対してはどの痛み止めも大差なく効果を発揮しますが、歯痛は一刻も早く抑えたいもの。効果が出る早さというのも一つの基準です。

ロキソニンSは吸収されれば効果の発現も早いのですが、錠剤なので溶ける時間が必要です。一方リングルアイビーは溶けやすい液体カプセルを採用していますので早く吸収されます。

いずれにしても歯痛に対する痛み止めの使用は歯医者さんに行くまでの「つなぎ」にしかなりません。痛み止めを使用して痛みが引いても、なるべく早く歯科を受診するようにしましょう。

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4.関節の痛みを抑えたい場合

関節の痛みを抑えたい場合には以下の成分が入っている鎮痛剤を選ぶとよいでしょう。

•アルミノプロフェン

•ロキソプロフェン

•アセトアミノフェン

主な商品

•ルミフェン(アルミノプロフェン)

•ロキソニンS (ロキソプロフェン)

•ラックル速溶錠 (アセトアミノフェン)

関節の痛みに対しても痛み止めは成分に限らず効果を発揮しますが、アルミノプロフェンは関節液に長くとどまると言われており、長く安定した鎮痛効果を期待できます。

ラックル速溶錠は早く溶けて早く吸収されるためすぐに抑えたい腰やひざの痛みに有効です。

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5.眠くなりにくい鎮痛剤が必要な場合

眠くなりにくい鎮痛剤がほしい場合には以下の成分が入っていない鎮痛剤を選ぶと良いでしょう。

•ブロムワレリル尿素

•アリルイソプロピルアセチル尿素

眠気を伴いにくい商品

•ロキソニンS

•リングルアイビー200

•バファリンA

•タイレノール

ただしあくまでも眠くなりにくいだけです。原則服用時は車の運転、機械の運転等は控えてください。

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アセトアミノフェン以外の鎮痛剤は15才未満の方は使用することができません。そこで小・中学生の生理痛にはアセトアミノフェンを使用した専用の痛み止めがあります。

注意点・アドバイス

1.場合によって服用を避ける

•鎮痛剤は空腹時を避け、食後すぐに服用する

•長期間(一週間以上連続して)服用は避ける

•鎮痛剤服用時の飲酒は副作用、毒性増強の要因となるので酒との併用は避ける

•かぜ薬との併用は成分が重複しているため同時服用を避ける

•眠気を引き起こす成分が入っているため車両の運転をする人は服用を避ける

•集中力が欠落したり眠気を起こすために非常に危険なので、機械の操作を行う人は使用を避ける

•アスピリンはライ症候群が現れる可能性があるので、15歳以下の小児には服用させない

•喘息症状がある人はアスピリン、イブプロフェンの入っていない鎮痛剤を選ぶようにし、なるべくアセトアミノフェンを使用している鎮痛剤を使うようにする

2.場合によって医師に相談する

•歯痛の場合は原因が周辺にあることが多く、歯科医の診察が必要

•通院者、または65歳以上の高齢者は、生理機能低下により薬剤の作用が強く出る恐れがあるため薬剤師に相談する

•鎮痛剤には胃の防御機能であるプロスタグランジンの生成を阻害する働きがあるので、胃の痛みがある人は鎮痛剤服用を薬剤師に相談する

3.その他の頭に入れておくべき注意点

•鎮痛剤は痛みの原因をなくすものではなく、一時的に痛みや炎症を抑え込むものである

•主要成分だけでなく添加物でアレルギーを起こす場合もある

•15歳以下の小児が服用できない商品が多々ある

4.アドバイス

成分によって差はありますが痛み止めは胃に大きな負担をかけます。そのため痛み止めの服用は食後にしましょう。これだけで胃のダメージを大きく減らすことができます。
痛み止めの中でも特に胃にダメージを与えるのがアスピリンです。逆にアセトアミノフェンは胃への負担が非常に軽く、緊急時であれば空腹時でも使用できます。

おわりに

鎮痛剤は痛みの箇所に合ったものを選ぶことで最大限の効き目を発揮します。また、痛みの原因になる生活習慣を改善することで予防にもなります。

薬は「異物であり、毒でもある」ということを理解して、薬を服用するようにしましょう。医薬品を服用の前には説明書を確認し、用法用量を守って正しく利用してください。

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