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2016年12月02日

その咳、本当にかぜ?間違いやすい肺炎に注意!

はじめに

ゴホン、ゴホン。「咳がずっと続いてなかなか治らない」と感じている方がいれば、それはもしかすると肺炎かもしれません。かぜと間違われやすい肺炎の症状を知り、対策を覚えておきましょう。

肺炎とは

肺炎とは、主に細菌やウイルスなどによって肺に炎症が起こる病気です。咳や発熱など、かぜと似た症状が出ることから見過ごされやすいですが、きちんと処置せずに放っておくと悪化して命に関わることもあるため、違いを知っておきましょう。

かぜ

かぜは、主に上気道(鼻、咽頭、喉頭)に炎症が起こります。熱は38度ぐらいまで、期間は数日から1週間程度です。発熱の他、次のような症状がみられます。

・鼻水
・くしゃみ
・咳
・のどの痛み

肺炎

一方、肺炎は、酸素と二酸化炭素のガス交換を行う「肺胞」に炎症が起こり、かぜよりも重い症状が出ます。熱は38度以上と高くなり、期間も長く続きます。以下のような症状が特徴です。

・鋭い胸の痛み
・悪寒
・息切れ、呼吸が浅くて息苦しい、
・咳
・全身のだるさ
・黄色や緑色、鉄さび色の痰
・顔やくちびるが紫色

厚生労働省の2015年の人口動態統計(確定数)によると、肺炎はがん、心疾患に続いて日本人の死因第3位で、年間約12万人が亡くなっています。息苦しさなど、上記で紹介した肺炎の症状が3~4日続いた場合は、早めに医療機関で診察を受けるようにしましょう。

どんな種類があるの?

肺炎の原因はさまざまですが、細菌やウイルスによるものが大半を占めています。

細菌による肺炎

細菌による肺炎は、高熱が出るほか、黄色や緑、赤さびといった色の付いた痰が出ることが特徴。抗生物質で治療を行います。
原因となる細菌では、肺炎球菌が最も多いといわれています。肺炎球菌は肺炎だけでなく、全身の血液が感染して多臓器不全を起こす「敗血症」などの重い症状を引き起こすこともあり、後遺症が出たり、死亡したりするケースもあります。

細菌性肺炎の原因菌の中には、抗生物質が効かず、対症療法となるものもあります。2003年にアジアを中心に猛威をふるったSARS(重症急性呼吸器症候群)もその一つ。体力や抵抗力が落ちている高齢の方が感染すると、命に関わることもあります。

ウイルスによる肺炎

ウイルスによる肺炎は基本的に抗生物質が効かないとされています。毎年冬に流行するインフルエンザウイルスも肺炎を引き起こす原因となります。インフルエンザはかぜよりも症状が重いため、体力が低下しやすく、肺炎につながるケースがあります。

インフルエンザの場合、全身の倦怠感や高熱などを伴いますが、肺炎に見られる咳や痰の症状はほとんどありません。インフルエンザと診断された後、咳や痰が出るようになったら、肺炎も引き起こしている可能性があるので注意深く観察しましょう。

細菌でもウイルスでもない「マイコプラズマ」って?

マイコプラズマ肺炎という病気を聞いたことがありますか?数年に一度大流行するといわれていて、原因となるマイコプラズマは、細菌でもウイルスでもない病原性微生物とされています。
潜伏期間は長く、4週間に及ぶことがあります。発症すると、37度程度の微熱から39度以上の高熱が出て、熱が下がってからも咳が1カ月近く続くことがあります。ぜんそくの持病がある人は重症化するリスクが高いようです。

そのほかの肺炎

細菌やウイルスなどではなく、アレルギーによる肺炎もあります。本来毒性を持たないカビなどに対して、肺が過剰に反応を示すようになり、その後に同じものを吸入した場合に肺胞にアレルギー性の炎症が生じる仕組みです。

また、高齢になると、「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」にも注意が必要です。
のどには、気管(空気の通り道)と食道(食べ物の通り道)という2本の管がありますが、この切り替えがうまくいかず、唾液や胃液とともに細菌が肺に入ってしまうことによって起こります。

対処方法や予防は?

肺炎は適切な治療で回復する病気です。症状が疑われる場合には、早めに医療機関を訪れましょう。
医療機関では、聴診器によって胸に異音が聞こえた場合、胸部のレントゲン検査を行って診断を確定。痰の検査で原因となる細菌やウイルスなどを特定した上で、治療薬を処方するケースが多いようです。
症状を軽くするため、解熱薬や去痰薬を合わせて処方したり、息切れや呼吸が苦しい場合には酸素吸入を行ったりすることもあります。

日頃の予防として、免疫力を高めることも大切です。
免疫力を向上させて肺炎などの呼吸器疾患を予防するには、ビタミンCを取ることが効果的。1日に2,000mgを摂取することで、肺炎にかかりにくくなるそうです。
また、体を温めることも、免疫力を高めるためには良いとされています。ニンニクやショウガは、血行を促進して体温を上げる作用があるのでおすすめです。寒くなってくる季節には、温かいスープに加えてもいいですね。

おわりに

肺炎は命を落としかねない病気ですが、適切な治療で治すことができます。気になる症状が出た場合は、早めに病院で診察を受けましょう。

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