2023年09月28日
家事をしたいけれど、手がかゆくてたまらない…、水ぶくれができて痛い…。そんな手のトラブル、もしかしたら手湿疹かもしれません。ここでは手湿疹の詳しい症状やお悩み別の対策を紹介します。
家事で水や洗剤に触れる機会の多い主婦に発症することから、「主婦湿疹」とも呼ばれる手荒れです。毎日頻繁に水仕事を行う調理師、美容師、理容師などもなりやすい症状です。
手の皮膚は通常、皮脂の分泌によってできる皮脂膜で保護されています。しかし、洗剤やせっけん、水やお湯に触れる機会が多い仕事や家事を行っていると皮脂膜が失われ、肌のバリア機能が低下します。シャンプーや薬剤、紙を扱うことが多い仕事や、アルコール消毒をする機会が多い人も、皮脂が奪われやすい状態です。
このようなバリア機能が低下した皮膚は、外部からのさまざまな刺激を防ぐことができずに、湿疹や炎症を生じてしまうのです。
手湿疹の症状は、以下のようなものが挙げられます。
・皮膚が赤くなりかゆみが出る
・小さなブツブツや水ぶくれ、ひび割れができる
・水ぶくれがつぶれてジュクジュクする
・皮がボロボロとむける
・水などがしみて痛い
放っておくと、かゆみが強くなって眠ることができなくなったり、患部から細菌が入って膿んでしまったりするなど、悪化する恐れがあります。
これらの手湿疹は、「乾燥型」と「湿潤型」の2種類に大きく分けることができます。
指先の皮がむけたり、カサカサと乾燥したりする「乾燥型」は初期に現れやすい症状です。乾燥が進むとひび割れが生じるほか、指紋の消失や皮膚が硬くなることもあります。空気が乾燥する冬になりやすいので、冬場は特にこまめな保湿で予防することが大切です。
小さなブツブツや水ぶくれができたり、手の皮膚がはがれて赤くなってしまったりする「湿潤型」は、指の腹や手のひらから発症するケースが多いですが、手の甲にも症状が出ることがあります。かゆみや痛みを伴うことが多くみられるため、かきむしってしまった皮膚が傷ついてしまい、そこから細菌が入って化膿してしまうケースもあります。早めに皮膚科に相談しましょう。
手湿疹の乾燥型と似た症状で、手の皮膚がパックリと割れる「ひび・あかぎれ」がありますが、これは原因が異なります。ひび、あかぎれは「乾燥」が原因で、指など手の一部がひび割れます。これに対し、手湿疹は「炎症」が原因で、手全体にひび割れや赤みなどが生じます。どちらも改善をめざすには保湿が重要になってきますが、手湿疹の治療は炎症を抑えることも必要です。
手湿疹の症状は、市販薬によるセルフケアで対策ができる場合があります。症状によって選ぶ薬が異なるので、それぞれに合ったものを選びましょう。
・ワセリン
乾燥型の対策は保湿が基本です。ワセリンは刺激が少なく、手に入りやすい保湿剤です。こまめに塗るようにしましょう。
・ヘパリン類似物質
ワセリンのべたつきが気になるときは、べたつきにくいヘパリン類似物質が配合されたクリームやローションなどを選ぶのもいいでしょう。
・尿素
保湿効果の高い尿素が配合されたクリームや軟膏なども乾燥型の対策になります。ただし、傷があるところに尿素を使用すると、ヒリヒリした刺激があるため避けた方がいいでしょう。
・ステロイド
赤みやかゆみを伴う湿潤型は、抗炎症作用のあるステロイド剤を塗りましょう。
「乾燥型」「湿潤型」両方の症状がある場合には、炎症が見られる箇所にステロイド剤を塗布し、症状が落ち着いてきたら保湿剤でケアをするとよいでしょう。その際は、炎症の無い箇所にステロイド剤を塗らないよう注意してください。
1週間ほど保湿剤やステロイド剤を塗っても改善しない場合や、何度も繰り返す場合は、薬の使用を中止して医師・薬剤師に相談してください。
※医薬品を使用の前には添付文書を確認し、用法用量を守って正しく使用してください。
・水仕事のときはゴム手袋+木綿の手袋
水仕事をするときは、刺激から手を守るため手袋をするようにします。ゴム製の手袋は刺激になりやすいので、下に木綿の手袋をつけるといいでしょう。
・水温は熱すぎず、冷たすぎず
手袋をつけられない場合は、水温の調節をしましょう。冷たい水は血行不良を起こすため、手が乾燥しやすくなります。逆に熱すぎる場合も乾燥しやすくなるので、体温よりやや低めの水温に調節して使用するといいでしょう。
・低刺激の洗剤を選ぶ
食器用洗剤や掃除用洗剤などを、低刺激のものに替えることも予防になります。併せて、保護手袋をつけたままだと使えないハンドソープやボディソープ、シャンプーなども肌に合っているか確認し、優しい成分のものを選ぶといいでしょう。
・保湿をこまめに行う
手湿疹の予防には保湿が大切です。お風呂上りだけではなく、こまめに保湿剤を塗るようにしましょう。手を洗ったあと、乾燥が気になったとき、すぐに塗れるように洗面台にポンプ式の保湿剤を置いておいたり、持ち運びしやすいサイズのクリームを選んだりするのもいいでしょう。
一般的に敏感肌、アレルギー体質、アトピー体質の人は肌のバリア機能が低く手湿疹を発症しやすいため、日々の予防や対策が必要になってきます。
手湿疹ができると家事や仕事など日常生活にも影響がでてしまいます。こまめな保湿で再発予防をしていきましょう。放っておくと症状が悪化する恐れもあります。かゆみや痛みがつらいときは、早めに医師・薬剤師に相談してください。
2023年9月28日更新
2016年9月8日公開
やけど・日焼け治療
やけどにはI度~III度までの段階がありますが、II度以上のやけどでは医師による処置や治療が必要になります。
一般的な日焼けは1度のやけどに分類され、きちんと対応しないと広範囲の軽いやけどになってしまいます。
しかしやけどの重症度は深さと広さで決まるので、日焼けであっても全身に及ぶようなものは広い範囲で皮膚機能が低下するため注意が必要です。
やけどの処置はまず冷やすのが鉄則で、最低でも5分以上は流水で冷やしましょう。氷を使う場合は直接当たらないようにタオルで包むなど工夫が必要です。
この場合も広範囲の日焼けは注意が必要で、全身を流水で冷やすとなると体温の低下などにもつながるため、やはり注意が必要です。
やけどの重症度の見分け方ですが、ピリピリとした痛みが強く続き、水膨れを伴うケースはII度と考えましょう。
II度やけどにはさらに浅達性と深達性があり、深達性は治るのに時間がかかります。
この浅達性と深達性は見分けるのが非常に難しいのですが、治癒後の痕の残り方などが大きく違ってきます。
やけどをした場合は流水で冷やす初期対応を行いつつ、水ぶくれができるなどII度以上のやけどが疑われる場合には早めに医療機関を受診し、早期の治療を始めるようにしましょう。
市販の薬などで対応できるのは軽度のやけどであるI度のものくらいに考え、少しでも不安があるようであれば医師に診てもらうくらいの方が安全です。
ハンドクリームを選びたい
気温が下がって乾燥が進むと気になってくる「かゆみ」や「赤み」「ひび割れ」などの手荒れ。
もともと手には皮脂を分泌する皮脂腺がほとんどなく、カラダの他の部分に比べると肌表面の角質層がダメージを受けやすい状態になっています。特に冬場は空気が乾燥している事に加え、皮膚の新陳代謝が低下しているため、さらにバリア機能が弱くなっています。また、水仕事や過剰な手洗いなどがバリア機能を奪う原因となることもあります。
ハンドクリームは皮脂分を補い手を保護したり、炎症やかゆみを抑えるものもありますので、適切に使うことで症状を予防・改善できます。しっかりとしたハンドケアをおこない、美しい手を目指しましょう。
乾燥肌
乾燥肌といえば秋冬の悩みでしたが、最近は1年を通じて乾燥肌に悩む方が増えています。乾燥肌は、皮脂分泌量の低下により角質の水分含有量が低下している状態です。皮ふの水分は、発汗、皮ふや呼気からの蒸発(不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といいます)で減少し、体の内側または大気中の水分により供給されます。皮ふの保湿は皮脂、天然保湿因子(NMF)によって保たれています。ところがさまざまな要因で保湿バランスが崩れ、わずかな刺激で様々な症状を招きます。
水虫
水虫と言えば革靴を長時間履く機会が多い男性に多いものと見られていましたが、白癬菌そのものは自然界にごく普通に存在し、通気性の悪い環境にあれば性別に関係なく感染・発症します。感染した皮ふと接触することでも感染が広がるので、家族に水虫の方がいる場合は足ふきマットなどは共用しないようにしましょう。外用薬などで症状が治まってきても白癬菌は角質内にとどまっているので、皮ふが完全に入れ替わるまで1カ月以上は根気よく治療を続ける必要があります。
湿疹・虫刺され・あせも
湿疹や皮膚炎に伴う痒みの薬には非ステロイドのかゆみ止め、ステロイドのかゆみ止め、ステロイドと化のう止めの配合剤に大別されます。傷やジュクジュクしている部分にはステロイド単独では使用できないため注意が必要です。基本的には対症療法であり、金属との接触やストレスなどが原因であればその原因を特定して治療する必要があります。アトピー性皮膚炎や抗真菌薬が必要な湿疹もあるので、なかなか治らない場合は医療機関で相談しましょう。あせもは原因さえ知ってしまえば予防するのはそんなに難しくありません。かゆみ止めの薬といっても様々です。なんとなく適当に使うのではなく、原因や症状に合わせて適切なものを選びましょう。
肌荒れ・ニキビ
ニキビは乾いた皮脂や角質が毛穴にたまることで発生し、アクネ菌が増殖することで赤くなります。
治療や予防にはアクネ菌に対する殺菌や、皮脂を除去するなど毛穴を清潔に保つことが効果的です。
また、発生の原因は衛生面だけでなく、睡眠不足や過労、便秘などにより肌環境が悪化することで発生しやすくなるとも言われています。
清潔にするだけでなく、ビタミン剤や漢方薬なども併用することで治療効果・予防効果の上昇が期待できます。
しっかり洗って予防、できてしまったら塗り薬でケア、肌荒れ予防にはビタミンや漢方の飲み薬。といった具合に、組み合わせてしっかりとケアしましょう。
デリケートゾーンのお悩み
ちょっと人には言いにくい、デリケートゾーンの悩み。 かゆみ、痛み、におい、生理、おりもの、乾き…原因も症状も様々です。 ただムレただけだったり、生理によるものであれば対応はシンプルですが、衛生状態の悪化やストレスによる膣カンジダ症となると厄介です。 今は膣カンジダ用の抗真菌剤も条件付きながら市販薬として購入することができるようになり治療へのハードルも低くなりました。 しかし複数ある膣カンジダ治療薬の特徴や微妙な違いは分かりにくく、膣錠を使うべきなのかクリームを使うべきなのかの判断も簡単ではありません。 そこで、このページでは症状ごとのお勧めの組合せを解説、少しでも早く治療を終われるようにお手伝いします。 症状がひどくなってからでは市販の薬で済ますことができなくなってしまいます。再発したと思ったら、早目に対処するようにしましょう。
更年期
更年期障害とは、卵巣機能の低下に伴うホルモンバランスの崩れがもたらす様々な症状のことを指します。年齢としては40代~50代といわれていますが、個人差もあります。ホルモンバランスの崩壊が原因なのでホルモン補充療法で改善しますが、副作用に乳がんなどがあるので、主に漢方薬による対症療法がとられるケースが多くなります。
生理痛
肥大した子宮内膜が着床せずに排出されるのが生理で、その際に生じる痛みが生理痛です。生理の際には子宮を収縮させて内膜を排出するのですが、この収縮させる伝達物質がプロスタグランジン(PG)です。PGの量は個人差があり、このPGの量が多い人は子宮の収縮が強く、痛みも強くなる傾向があります。またPGは痛みを司る物質でもあるため、PGが発生するということ自体が痛みの原因にもなっています。生理痛の緩和にはPGの発生を抑える痛み止めや漢方薬が使用されます。
あまりに強い生理痛には子宮内膜症などの重い病気が隠れていることがあります。「いくらなんでも痛すぎる」ときは医師の診察を受けましょう。
熱中症を予防したい
熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。
花粉症をラクにしたい
花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。
虫よけを効果的に使いたい
気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。
衣替えのコツが知りたい
日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。
シミをつくりたくない
紫外線にさらされた肌は大きなダメージを受けています。紫外線はしみやシワ、たるみの原因になるため、早期の保湿・美白ケアが必須です。医薬品やサプリメントによって内側からもケアすることで、透明感のある肌を保ちましょう。
ボディケア商品を選びたい
うるおいに満ちたきれいな肌を保つだけでなく、ドライスキンで悩まれている方や乾燥しがちな冬のお肌には必須のボディケア商品。
乾燥をそのままにしておくとお肌のバリア機能が低下し、少しの刺激でも肌荒れが起きたり炎症やかゆみなどの症状がでてしまうことがあります。
こちらの特集ではローションやミルク、クリーム、オイルなどの剤形別での使い分け方法と、医薬品の治療用ボディケアをご紹介します。自分の状態にあったぴったりのボディケア商品を探してみましょう。
体臭が気になる
口臭、加齢臭、汗のニオイ…自分で気づくことが難しく、知らず知らずのうちに周りを戸惑わせてしまう体の臭い。仮に気づいていても抑えることが難しく、とても悩ましい問題です。特に無臭が好まれる日本では敏感に察知されてしまいます。
時間をかけずにニオイを解決するには、内側から香るサプリメントと外部から香りを付けたりニオイを抑えるデオドラントが有効です。ニオイの原因を解決するには食生活や習慣を継続して見直すなど根気がいりますが、その前に医療機関に相談して皮膚や内臓などの「ニオイの原因」を突き止めましょう。
紫外線から肌を守りたい
紫外線を多く浴びるとしみやシワ、たるみといった肌の老化が進んでしまいます。日差しの強い真夏が紫外線量が一番多いと思われがちですが、実は3月ごろから徐々に強くなり、5月にはピークを迎えるため、春先からの早期対策が必要です。紫外線とは何か?SPF値、PA値とは何か?効果的な日焼け止めの塗り方は?など、紫外線の知識を少しずつ学びながら、ぴったりの日焼け止めを見つけましょう。
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