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2022年08月29日

体調を崩しがちな季節の変わり目、どうやって乗り切ればいい?

はじめに

暑さの厳しかった時期が過ぎて、だんだんと過ごしやすい季節になってきたのに、なんだか体の調子が良くない…と感じる方もいるのではないでしょうか?
季節の変わり目は体調を崩しやすいといわれています。一体なぜなのか、その原因を知って乗り切るための方法を探っていきましょう。

なぜ季節の変わり目に体調不良になるの?

季節の変わり目は、朝晩の寒暖差が激しく、気圧の変化も大きい時期です。この寒暖差と気圧変動は体調不良を引き起こすきっかけになります。特に秋口は急激に気圧が下がる台風シーズンでもあり、「台風が来ると頭痛がする」という方もいるのではないでしょうか。

この天候による体調の変化には、自律神経が関係していると言われています。

自律神経には、昼間や活動時に作用する「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに働く「副交感神経」の2種類があります。これらがうまくバランスを取って作用することで、体温や発汗の調整、呼吸、循環、代謝などがスムーズに行われています。しかし、寒暖差が大きくなると、体温や発汗を頻繁に調整しなければならなくなるため、エネルギーを消耗して疲れやだるさが出てしまうのです。

また、気圧が変動すると血管が収縮したり、膨張したりしますが、交感神経と副交感神経を切り替えて通常時の血管の状態に戻そうとします。そのため、気圧の変化によって、交感神経が働かなければならない昼間に副交感神経が優位に働いてしまい、仕事中や授業中に眠気や倦怠感が表れることもあるのです。台風のような急激な気圧の変化に対しては、切り替えがうまくいかなかったり、自律神経のバランスが乱れて対応しきれなかったりすることで、頭痛などの症状が見られる場合もあります。

さらに、月平均の寒暖差が大きくなる9~11月、3~4月、6~7月頃は、環境が変わる人も多いシーズンです。異動に伴う引っ越し、進学や進級など、生活に変化が起こりやすい時期。こうしたことによるストレスや生活リズムの変化も、自律神経の乱れや体調を崩すことの要因になっていると考えられます。

表れやすい体調の変化

季節の変わり目に大きくなる寒暖差や気圧の変動が、体調不良につながることがわかりましたが、実際どんな症状が表れやすいのでしょうか。

頭痛

頭痛は、季節の変わり目に表れやすい代表的な症状です。ズキズキと痛む片頭痛や、首の後ろあたりから痛みが続く緊張型頭痛も、気圧の変化による症状の一つと言えます。

消化器官の不調

自律神経は胃腸とも関わりが深く、そのバランスが乱れると胃痛や胃の不快感、腸の不調によって下痢と便秘を繰り返す「過敏性腸症候群」のほか、口の渇きや味覚障害、嘔吐、過食や拒食などが見られることもあります。

肌荒れ

季節の変わり目に肌が荒れてしまうという人も多いのではないでしょうか。これも自律神経のバランスの乱れが原因の一つになっているようです。自律神経のバランスが崩れて便秘になったり、不眠気味になったりすることも肌に良くない影響を与えます。寒暖差などの気候の変化も肌の刺激になるため、特に敏感肌の人は季節の変わり目は注意が必要です。

めまい

気圧の変化は、内耳という耳の奥にある器官で察知します。この器官が過敏に反応することで、めまいの症状が起こると言われています。また、内耳のリンパが増えて水ぶくれの状態になる「メニエール病」についても知っておきましょう。ぐるぐる回るような回転性めまい、難聴、耳鳴りが繰り返し起こるメニエール病は、季節の変わり目にも発症しやすく、30~50代の多忙でストレスがかかりやすい世代に多い病気です。吐き気や顔面蒼白、冷や汗などを伴うこともあります。早期に治療することが大切ですので、突発性の難聴を伴うめまいに気づいたらすぐに医師に相談しましょう。

その他、肩こり、不眠、倦怠感、目の疲労なども見られます。さらに、症状がはっきりと表れない冷や汗や動悸、気分の落ち込みや情緒不安定など、体だけでなく心の不調も、季節の変わり目に表れやすい傾向にあります。

季節の変わり目を健康に過ごすために大切なこと

季節の変わり目に表れる体調不良は、体から心の症状まで多岐にわたります。気候の変化は避けられませんが、自律神経のバランスを整えることで、症状を緩和できます。健康に過ごすために、日々の生活の中で以下のようなことに気を配ってみましょう。

自律神経を整える栄養素を摂る

ビタミンB群…神経の働きを正常に保つ役割があるビタミンB群は、ストレスをためこんだ状態が続くと消費されやすく、不足すると自律神経のバランスが崩れやすくなります。ビタミンB6やB12が含まれている秋の味覚を代表するサンマをはじめ、カツオやウナギなどを、日頃からしっかり取り入れましょう。
昆布やワカメ、ヒジキなどに含まれるマグネシウムと一緒に摂取するようにすると、ビタミンB群の働きを助けるのでより効果的です。

マンガン…干ししいたけ、キウイフルーツなどに含まれるマンガンは、神経過敏を和らげるとされています。

カルシウム…牛乳やニボシなどに含まれるカルシウムは、イライラした気持ちや興奮を抑えて眠りにつきやすくする働きがあります。

GABA(ギャバ)…アミノ酸の一種であるGABAは、不足すると自律神経が乱れやすくなると言われています。トマトに多く含まれていますので、1日1個を目安に、習慣化して食事に取り入れてみましょう。

カフェインレスの飲み物…朝や仕事始めにコーヒーを飲む方もいるでしょう。コーヒーは交感神経を活発にさせます。気圧や気温の変化によって自律神経が乱れているときは控えて、カフェインレスの飲み物を選ぶといいでしょう。

睡眠をしっかり取る

寝ている間は副交感神経が優位に働き、体や心を休ませてくれます。38~40℃の湯をバスタブにはり、10分以上ゆったりつかると寝付きが良くなり、ぐっすり眠ることができるようです。

朝食を食べて、朝日を浴びる

寝ている間優位に働く副交感神経のほうが、腸に働きかけて便意を促します。昼の交感神経に切り替わる前に、朝食を食べて腸を刺激して排便習慣をつけましょう。腸内環境が整うと、自律神経のバランスも整うと考えられています。そして、朝日を浴びると「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。体だけではなく心の調子も整える役割があるため、数分間でも朝日を浴びておきましょう。

室内と屋外の温度差を減らす

暑い日に冷房がしっかり効いた部屋にいると、体のだるさを感じることもあると思います。これは寒暖差に対応するためにエネルギーを使っているからです。屋外と室内の温度差が開きすぎないように、エアコンの設定温度を見直しましょう。夏場は扇風機を併用して調整し、冬場は湯たんぽや、温かい飲み物でじんわりと体を温めるといいでしょう。

耳をマッサージする

気圧を察知する内耳の器官は、血行が悪くなると浮腫んで過敏になります。天候が崩れそうなときは、耳と耳の周りをもみほぐし、耳をつまんで上下や横に引っ張ったり、回したりしてマッサージしましょう。耳の後ろの部分をホットタオルなどで温めるのも、血行を良くする方法です。

ストレスをためない

ストレスを多く感じているときは、心身をリラックスさせる副交感神経が優位に働くような対策を取りましょう。暗めの照明の部屋で静かな音楽を聞くことや、ラベンダーなど鎮静作用のあるアロマの香りでのんびりと寛ぐのがおすすめです。軽いストレッチも気分転換になります。

これらの対策は1年を通して大切なことですが、季節の変わり目は特に意識して取り組みたいですね。

おわりに

季節が移り替わる時期は生活の変化と重なることも多いと思われます。ストレスをためやすい時期でもありますので、上手に発散しましょう。気圧の変化を教えてくれるアプリなどもありますので、症状が出やすい人は、活用してみるのもよいでしょう。

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2022年8月29日更新
2016年9月30日作成

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