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2016年09月12日

【知らないと怖い基礎知識】食中毒の予防と対処法

はじめに

食中毒が起こるのは、湿度や気温が高い梅雨時期や夏だけと思っていませんか。実は、湿度や気温が低い時期に起こる食中毒もあり、涼しくなったからといって油断は禁物です。毎年のようにニュースで話題になる食中毒。決して他人事ではありません。

飲食店だけではなく家庭でも起こりうる、食中毒の基礎知識についておさらいしていきましょう。

食中毒の原因・種類・症状とは

食中毒の原因

食中毒の原因は、実にさまざまです。
その種類は大きく分けて、細菌性によるもの、ウイルスによるもの、自然毒、化学毒、寄生虫、その他となります。
高温多湿な夏場は細菌による食中毒が、低温低湿な冬場はウイルスによる食中毒が発生しやすくなっています。

細菌性の食中毒は、「感染型」と「毒素型」の2つ。腸炎ビブリオやサルモネラ菌、O157(腸管出血性大腸菌)は前者に、ボツリヌス菌や黄色ブドウ球菌は後者に分類されます。

潜伏期間は菌の種類によって異なります。
サルモネラ菌の場合は、通常半日から1日、場合によっては3日程度たってから症状が現れることも。感染源として多いのは卵で、激しい腹痛、発熱、下痢、おう吐などが3、4日ほど続きます。
大腸菌の一つO157(腸管出血性大腸菌)は、激しい腹痛や血便を伴う下痢が特徴。感染しても4~9日間程度は症状が出ないので感染源の特定が遅れ、感染が拡大する傾向があります。非常に強い感染力を持っていて、一般的な食中毒では、100万個以上の菌が体内に入らないと発症しませんが、O157はわずか100個程度の菌で発症するといわれています。
黄色ブドウ球菌は3時間程度と短く、おう吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。黄色ブドウ球菌は、人や動物の皮ふ表面などに普通に存在している菌ですが、増殖するときに毒素が作られ、これによって食中毒が引き起こされます。

ウイルス性食中毒の代表であるノロウイルスは、おう吐と下痢が主な症状で、1日以上経ってから現れます。特に冬に流行するこのウイルスは感染力がとても強いので、家庭や施設で発生すると、二次感染によって集団感染を引き起こす恐れがあります。

自然毒の代表例は、フグやキノコでしょう。
フグ毒の症状は舌先、唇、指先などが痺れ、頭痛や腹痛、腕痛が伴うケースも。次第におう吐、言語障害、呼吸困難、低血圧に陥り、呼吸麻痺に至ると死亡する危険があります。

秋のキノコ狩りでとってきたキノコを、毒キノコだと気づかずに食べることなどによって起きることもあります。キノコ中毒の症状は3つに大別されます。
最も多いのは「胃腸炎型」で症状は、吐き気、おう吐、下痢など。
「コレラ型」は強烈な腹痛を伴うおう吐や激しい下痢で脱水症状になる危険があり、特にお年寄りや子どもは命を落とすケースもあります。
「脳症型・神経型」はキノコの種類によっても変わりますが、視力障害や酩酊状態、狂騒状態など神経障害を引き起こします。

寄生虫は、野菜や水、淡水魚、海水魚などによく生息します。特に有名なのがサケ、サバ、アジ、イカなど魚介類の寄生虫である「アニサキス」。食後3~4時間後に激しい腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。

化学毒に関しては、分類的には食中毒ですが、それほど一般的ではありません。なぜならこれは、有害な金属やヒ素などによって起きるものだからです。

厚生労働省の統計によると、食中毒の発生件数のおよそ6割が飲食店におけるものですが、家庭でも1割ほど起こっています。家庭での食中毒は、症状が軽かったりして食中毒と認識されないケースがあるため、実際にはもっと多くの食中毒が発生していると考えられています。

食中毒予防は「つけない・持込まない・やっつける」

食中毒の予防には、「つけない・持込まない・やっつける」の3原則を守ることが大切です。

つけない

生の食材には、細菌やウイルスが存在しています。そのため、生の肉や魚を野菜や果物に触れさせてはいけません。まな板や包丁は分けるようにしましょう。また、肉や魚などを使った後の調理器具は洗剤でしっかりと洗った後、85℃以上の熱湯で1分以上加熱するか、台所用殺菌剤を利用することで殺菌することができます。

食材やまな板や包丁だけではなく、冷蔵庫や人の手、タオルや布巾など、細菌やウイルスはさまざまなところに付着します。ですから、必ずせっけんで手をよく洗ってから作業をすることも大切です。食材に触れた後、調理の前、トイレの後、おむつ交換の後、食事を片付けた後など、細菌やウイルスが手に付着した後は、必ず手洗いを実施してください。

持込まない

梅雨から夏場にかけて発生しやすい菌類は、増やさないようにすることが大事ですが、冬場に多いウイルスによる食中毒を防ぐには、持込まない事が重要です。ウイルスは、人から人に感染する事が多い為、ウイルスに感染した人は、調理場に「入らない」「近づかない」ようにしましょう。

やっつける

肉の生食や加熱不足が原因の食中毒は後を絶ちませんので、「加熱」は非常に重要です。
鶏肉や牛肉などに付着する「腸管出血性大腸菌(O157、O111)」や「カンピロバクター」には十分な注意が必要です。特に、お年寄りや子ども、妊婦など抵抗力の弱い人は重症になりやすいので、気をつけなければなりません。目安は「中心部を1分以上、75℃で加熱すること」です。

この3原則をしっかり守って食中毒を予防しましょう。

日頃から手洗いを習慣づけ、調理器具も定期的に消毒するなどして清潔に保ちましょう。また、加熱の必要な食品はしっかり加熱してから食べましょう。

残った食品を扱う前にも手を洗い、必ず再加熱してから食べましょう。少しでも危なそうだなと思った食材は思い切って破棄してください。

食中毒の対処法

「食中毒かな?」と疑われる場合は、下痢止めなどを自己判断で飲まないように注意してください。下痢や嘔吐は体が毒を出そうとする反応ですから、無理に止めてしまうとよくないケースもあるからです。

すぐに病院へ行った方がよいケース

下記の症状が見られる場合は、すぐに病院へ行きましょう。

・下痢が続く(1日10回以上)
・半日以上尿が出ない、尿が少ない
・意識がもうろうとする
・血便が出る
・嘔吐が続く
・体がふらつく

食中毒を起こした場合、「応急処置」では間に合わないこともあります。
下痢や嘔吐が続いたり、発熱があったり、便の調子がおかしいなどの状態になった場合は、すぐに病院に行くようにしてください。症状が重い場合は救急車を呼びます。特に、お年寄りや小さな子どもの場合は速やかに病院に行かねばなりません。

家できる応急処置

・水分をとる
食中毒が疑われる場合は、とりあえず安静にして水分をよくとります。冷たい水でなく、常温か少し温かいお湯にしましょう。嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐためです。
吐き気がある場合は、スプーン一杯の湯冷ましから飲む、または飲ませてみましょう。吐き気がおさまってきたら、スポーツドリンクや経口飲料水、リンゴジュースなどをとります。

・無理のない範囲で食事をとる
水分も摂れるようになり落ち着いてきたら、少しずつ食事もとりましょう。嘔吐や下痢で体力を消耗し、胃腸も弱っているため、できる限り消化のよいもの、栄養価の高いものを選びます。
おかゆや野菜スープなどの流動食、うどんやバナナなどの刺激が少ないものがベスト。冷たいものでなく、温かいものにしましょう。

・寝かせるときは横向きで
お年寄りや子どもの場合、吐いたものが喉に詰まる危険がありますから、横向きに寝かせるようにします。

おわりに

食中毒は非常に怖いものであり、命まで脅かしてしまいかねません。あなたやあなたの大切な人を守るためには「予防」が第一。多少の手間はあっても、命を守るためにしっかりと予防しましょう。
また、異常を感じたのなら、できるだけ速やかに病院に行ってください。

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