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2016年06月01日

便秘と下痢の繰り返し...ツライ症状を改善する方法

はじめに

便秘と下痢の症状が繰り返し表れるようなら、過敏性腸症候群かもしれません。現代人に多く見られる症状で、体だけでなく心も関係している病気です。

便秘と下痢を繰り返す原因とは?

過敏性腸症候群は、通勤通学時や試験の前などに急にお腹が痛くなるなど、お腹の不快感が繰り返し起こること。
検査では特に異常がないのに、急な便意や腹部の異常を感じ、10代から30代の若い年齢層に多く見られます。男性より女性に多く、日本人の成人の10~20%は過敏性腸症候群の症状がある、といわれています。

過敏性腸症候群は以下の原因が認められていますが、確かな原因はまだわかっていません。
・消化管運動異常
・消化管知覚過敏
・心理的異常

ストレスは症状を悪化させる要因となり、免疫異常が関わっている可能性も指摘されています。
また、セロトニンという脳内から分泌される物質が少ないタイプの人は過敏性腸症候群にかかりやすいといわれています。ただし、脳内と腸内に存在するセロトニンの量は、脳に多く、腸には少なくというバランスの方が、腸が正しく活動するようです。

脳と腸の密接な関係が原因のひとつ

腸と脳は密接に関係しているといわれています。腸には脳と同じ神経が多くあり、自律神経でつながっているので、脳で感じたストレスは自律神経を通して腸に伝わり、運動異常を引きこすと言われています。過敏性腸症候群の場合は腸が敏感になっているので、ちょっとしたストレスにも反応してしまい、少しの腹痛でも脳はキャッチして不安になる、という悪循環が原因となっていることが多いのです。

病型別の特徴・下痢型

突然起こる便意により下痢を起こします。突然の便意に恐怖を感じ、電車に乗ったり通勤通学ができなくなったります。また、突然便意をもよおすかも、という不安がさらに症状を悪化させてしまうのです。

・便秘型
腸管がけいれんを起こして便を排泄しづらくさせます。水分をうばわれた便はカチカチに硬くなるため、ますます排便が困難になってしまうのです。

・交代型
下痢と便秘を交互に繰り返し起こします。

症状はどのように表れるか

過敏性腸症候群の症状は、腹痛や腹部の違和感の他に、頭痛や精神的な症状が表れることもあります。以下のような症状が一般的です。

腹痛

左下腹部によく見られますが、痛む部位は一か所に定まっていない場合も多いです。腹痛の種類はさしこむような痛みが発作的に起こるか、鈍い痛みが継続的に起こるかのどちらかが多く、便意を伴います。排便すると、一時的に痛みが軽くなるのが特徴です。
睡眠中は痛みがないことが多く、食事を摂ると症状が表れます。

腹部の不快感

腹部膨満感やおなかがゴロゴロ鳴る、おならがでるなどの症状が多く見られます。

お腹以外の症状

・精神症状
不眠、不安感、抑うつ症状など

・全身の症状
頭痛、頭が重い、疲れやすい、めまい、背部痛、肩こりなど

・消化器症状
吐き気、嘔吐、食欲不振など

医師に相談し生活の見直しをしよう

過敏症腸症候群の人は、消化器内科で薬をもらい治療しているケースが多いです。しかし、考え方やライフスタイルが元のままで改善されず、心療内科を訪れることもあります。腹痛や下痢はストレスのサインである場合も多く、無理やり薬で症状を抑えても根本的な問題の解決にはなりません。問題となっているストレスの元を改善しなければ、頭痛や胃の痛みなどの別の症状として現れることもあります。
それでは、具体的な治療法を見てみましょう。

生活や食事の指導

不規則な生活、睡眠不足、慢性疲労、心理社会的ストレスなど、病気の原因となることを修正していくよう指導します。またアルコールなどの症状を悪化させる食品を控えることも大切です。食生活については、以下の項目を改善していくようにします。・規則正しく三食摂る
・暴飲暴食を避け胃に負担をかけない
・食物繊維を多くとり、脂肪を控える
・便秘の人は水分を多めに摂る

日常生活やストレスについては以下のようなことを気にかけてみましょう。
・喫煙を控える
・十分な休息、睡眠をとる
・散歩や軽いスポーツで気分転換をする

薬での治療

整腸薬、セロトニン受容体、抗コリン薬、高分子重合体、消化管運動調節薬など、その時の症状によって医師が治療薬を選択します。

市販薬では、抗コリン薬、止瀉薬が配合されたライオン ストッパ(第2類医薬品)などが販売されています。

心身医学に基づく治療

精神療法、自律訓練法、認知行動法などがあります。

このようにさまざまな過敏性腸症候群の治療法があります。適切な薬を服用したうえで自分のストレスを認知し受け入れ、症状と上手くつきあっていく「ストレス・マネジメント」の方法を考えていくことが有効です。

食物繊維は便秘、下痢どちらにも有効です。積極的に摂ることをおすすめします。

おわりに

急な便意やおならなどに不安を持っていると、「いつトイレにいきたくなるかわからない」「外出中にオナラしたらどうしよう」などと、ますます悪循環で不安が大きくなり外出しづらくなることもあります。思い当たる症状があるときは、ひとりで抱え込まず、早めに病院へ行って相談しましょう。

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