2013年10月15日
どんな人でも1年に5回程度、風邪のウイルスや細菌に感染していると言われます。体力・免疫力がしっかりしていれば、感染しても症状が出ずに終わりますが、疲れがたまったりすると熱や咳などの症状が出てしまいます。風邪薬はこの症状を抑えるためのものです。
風邪をひいてもゆっくり休めない方が多い現代。そんな時代を生き抜くための、風邪薬を上手に使うポイントをQ&A形式でご紹介します。
風邪薬に入っている「咳に効く成分」と「鼻に効く成分」が眠気を引き起こす作用を持っています。
咳に効く成分のうち、「デキストロメトルファン臭化水素酸塩」というものを使用している風邪薬であれば、眠気は出にくいです。一方、鼻の症状に効く成分が入った風邪薬は全て眠気が出てしまいます。
眠気の強さは人や成分により差があります。
眠気の出方は個人差の大きいものです。どれぐらいたったら大丈夫かという事は、一概には回答できません。
薬の効果は切れても、眠気だけ残る場合もあります。
殆どの飲み薬は小腸から吸収され効果を発揮します。水なしで薬を飲むと、食道に薬がくっつきやすくなり、胃から小腸へ送られるのも遅くなってしまいます。
また、くっついてそこで溶けてしまうと、食道が荒れたり、必要ない作用が起きたりします。例えば、風邪薬に含まれる解熱鎮痛成分は、食道や胃を荒らしやすい成分として知られます。
添付文書や外箱に「水なしで飲める」と書かれているものは、これには当てはまりません。
お腹に入ってからの仕組み上、「水で飲む」ように書かれている薬は噛んではいけません。
同じように見える錠剤でも、様々なコーティングにより効く時間を長くしたり、腸でしか溶けないようにしてあったりします。例えば、効き目が長く1日2回飲むだけで良い風邪薬がありますが、これを噛んでしまうと、早く効果が切れてしまい、全く意味がなくなってしまいます。
カプセル剤の場合では、中に入っている粒が数種類混じっているものもあり、これも効果の長さや速さを実現するためなので、噛んでしまうと台無しになります。
お茶やジュースなどで飲むと、化学反応を起こして薬の成分自体が変化してしまう事があります。飲み物の酸性・アルカリ性も影響があるので、水で飲むのがおすすめです。
お酒と薬が同時に体の中にあると
肝臓に大きな負担がかかる。
お酒と同じ酵素で分解される成分があるため、副作用が出やすくなる事がある。
解熱鎮痛成分の中には、効きが悪くなるものがある。
風邪薬の場合、お酒と相まって眠気が出やすくなる。意識がもうろうとしやすくなる。
などの悪影響があるので、風邪薬を飲むときはお酒は控えてください。
妊娠中に薬を飲むと、障がいが残ったり流産してしまったりする危険性があります。成分によっても違いますし、赤ちゃんの発育段階でも違います。絶対飲んではダメ、という成分は決まっていますが、「絶対大丈夫」というものはありません。かかっている産科のお医者さんに相談するのが一番です。
もし年末年始など病院がやっていない時期に風邪をひいてしまった場合、咳がひどい風邪でなければ薬を飲むより、安静にして栄養をしっかり摂ることが重要です。
母乳は血液から作られます。薬は血液中に入って全身をめぐって効果を発揮しますので、母乳には薬の成分が入ってしまう事がありますので、大丈夫とは言い切れません。
特に風邪薬の咳止め成分の「コデイン塩酸塩」「ジヒドロコデインリン酸塩」は絶対飲んではいけない成分です。
病院で処方される薬の場合、成分が1つしか入っていない薬を組み合わせて作るので、不要な成分をとる心配がありません。
また、病院で処方される薬には二次感染予防のための抗生物質が出ることがあります。これは風邪の原因であるウイルスにたいして直接効果を発揮することは少ないのですが、肺炎になりやすい方や高齢者には最適です。
一方、お店で買える大衆薬は、例えば複数の症状がある場合に、できるだけ最適な組み合わせの商品を選べば効果的に少ない錠数で効く場合があります。
「食前・食間」に飲むタイプの薬は、空腹時に飲む方がきちんと吸収され、効果を発揮しやすいような成分で出来ています。
一方、「食後」に飲むタイプは、食後に飲む方がきちんと吸収され、効果を発揮しやすいようにできています。また、胃を荒らしやすい成分が入っていることなども食後に飲ませる理由の1つです。
薬にはどんなものにも副作用があります。眠気も副作用の一つです。
また、薬に限ったことではありませんが、体が成分に過敏に反応してしまいアレルギーを引き起こすものもあります。
入っている成分の、副作用の危険性に応じて分類されています。
※副作用の危険性は、高い方から順に『第一類・第二類・第三類』となります。
注:効き目の強さで分類されていると思われている方もいらっしゃいますが、そうではありません。
飲んで良いものと悪いものがあります。店頭の資格者に確認してみましょう。
症状が気にならなければ問題ありません。飲み忘れて、また症状が出て来てしまったら飲めば大丈夫です。
病院の抗生物質は問題あるものもありますので、調剤してくれた薬局に問い合わせてみて下さい。
副作用の危険性が高まるだけで、メリットはほとんどありません
まずは一番つらい症状を言い、それから他にどんな症状が一緒に出ているかを伝えてもらうと、より効果の高い薬を選ぶ事ができます。
また、高血圧や糖尿病、緑内障など持病のある方、妊娠・授乳の有無、車の運転頻度などを伝えていただくと、より安全な薬を選ぶ事ができます。
生活パターンやお仕事、食生活なども立派な情報源です。
鼻炎薬というと花粉症に使うものというイメージが強いですが、実は、風邪薬の中に入っている「鼻に効く成分」だけを集めて作られています。特に、鼻水や鼻づまりがひどく、熱はないような風邪の場合は「鼻炎薬」の方がおすすめです。
また、鼻水や鼻づまりによく効く成分が入っている「風邪薬」は少ないのも事実です。
頭痛や熱だけの時には「解熱鎮痛薬」のほうが良いこともあります。
漢方薬で「響声破笛丸」というものがオススメです。
薬を飲む時は、必ず事前に添付文書を読みましょう。
店頭で相談した時に伝え忘れた事などあるかもしれません。ご自分でも1度、再確認されることをおすすめします。
風邪薬は店頭の薬の中でも、選び方の難しいカテゴリーです。
パッケージやCMで効きそうだと思っても、ご自身の症状に合った成分が入っていなければ効果は出ません。店頭で相談をしていただくことをおすすめします。
また、風邪薬はあくまでも症状を抑えるためのもので、風邪の原因をやっつけるのは自分自身の免疫力です。日頃から免疫力を高め、健康的な生活を送って、風邪をひかずに1年過ごせるといいですね。
医薬品を服用の前には添付文書を確認し、用法用量を守って正しく利用してください。
かぜの症状をやわらげたい
本来感冒症状(風邪)は、しっかり栄養をとってゆっくり休んで治すものであり、薬はその間の症状を緩和するための補助的なものに過ぎません。薬の得意分野も様々ですので、症状と体質・生活習慣に合った薬を選びましょう。栄養ドリンクや補水液を併用するのも効果的です。
せき・たん
咳は非常に厄介な症状ですが、体の防衛反応でもあるため安易に薬を飲んで止めるのもよくありません。
しかし激しい咳はそれだけで体力を消耗し睡眠にも大きな影響を及ぼします。これが長期化することで更に体調を悪化させてしまったり、持病を悪化させてしまうことにも繋がりかねません。
安易に薬を使うべきではないのですが、睡眠をしっかりと取れるくらいにはコントロールできた方が短期間で回復できることもあります。
ところが、防衛反応のひとつである咳やたんを薬で完全に制御することは非常に難しく、薬も「少し楽になるくらい」のものと捉えたほうがいいでしょう。
効かないからといって量を増やしたり複数の種類の薬を併用することは避けてください。
2週間を超える長い咳は風邪の延長ではなく、マイコプラズマ肺炎や気管支炎などの疾患が隠れている可能性があります。
色のある「たん」が多い、発熱も伴っているなど、ただの咳ではない兆候がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
鼻炎
鼻炎は蓄膿症などに代表される継続した症状が特徴の慢性鼻炎、感冒(風邪)の時などに一時的に発生する急性鼻炎、花粉症などアレルギー物質に対する反応として発生するアレルギー性鼻炎に分けられます。症状に適した薬を選ぶことで副作用を抑えつつ効果的に使用することが可能になります。状況にあった薬を選びましょう。
熱中症を予防したい
熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。
花粉症をラクにしたい
花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。
虫よけを効果的に使いたい
気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。
衣替えのコツが知りたい
日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。
タバコをやめたい
パッチとガムはタバコの代わりにニコチンを摂取することにより禁断症状を抑えて禁煙を補助します。禁煙開始時の1日のタバコの本数が少ない場合はガムのほうが禁煙に成功しやすいと言われています。ニコチンを補充するため、ガムやパッチを使用している間はタバコを吸うことはできません。
市販のニコチン製剤を使う以外にも、健康保険の適用を受けることができる禁煙外来を使うこともできます。こちらは医師の指導・管理の下で内服薬なども使用してニコチン依存症を治療します。禁煙外来による治療はパッチやガムなどのニコチン置換療法よりも禁煙成功率が高く、どうしても禁煙に成功しない場合は医療機関で相談するようにしましょう。
また、タバコを吸うことでかなりのビタミンCが破壊され、皮ふのシミやシワが増え肌色を悪くします。
健康診断の数値が気になる
現在の身体の状態を把握し、生活習慣病の予防や早期発見のために、毎年の健康診断は欠かせません。
生活習慣病は病状が進行して初めて症状がでるものがほとんどですので、定期的な検査によって自身の身体変化を認識し、予防する必要があります。早期であれば、偏った食事や運動不足などのライフスタイルを改善することで、病状が軽快する場合があります。
検査数値をそのままにし、病状の悪化によって医師による治療が必要になってしまう前に、自分自身で気になる数値をコントロールしましょう。
入浴剤を選びたい
発汗作用のある入浴剤やリラクゼーション効果の高いアロマオイル配合タイプなど、心身ともに1日の疲れにおすすめの入浴剤をチョイス!
長時間入浴すると皮脂がはがれ落ちて皮膚のバリア機能が低下してしまいます。ぬるめのお湯で10~20分程度の入浴がおすすめです。
野菜不足が気になる
厚生労働省が提唱する「健康日本21」では、野菜は1日に350g以上とることを理想としています。野菜を摂るように意識していても、目標量を摂取することは難しく、慢性的に野菜不足の方が増えているのが現状です。野菜が足りていないと、ビタミンやミネラル、食物繊維の不足により体調不良や免疫力低下、生活習慣病を招くことがあります。この特集では栄養不足を補う、栄養素が豊富な健康食品を紹介します。足りない栄養素はこれらによって多少補うことが可能ですが、野菜を摂らなくていいわけではありません。できるだけ普段の食事から野菜の栄養素、食物繊維などを摂れるように野菜中心の生活を心がけましょう。
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