2022年06月20日
「OS-1(オーエスワン)」は、WHOの提唱する経口補水療法の考え方に基づいた飲料です。米国小児科学会の指針に基づき、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液(ORS)です。
消費者庁による「特別用途食品 個別評価型病者用食品」の表示許可を受けており、乳幼児から高齢者の軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質(塩分等)を補給・維持するのに適しています。
今回はOS-1の基礎知識と正しい使い方を説明します。
ORS(Oral Rehydration Solution)とは、水分と電解質をすばやく補給できるようにナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した飲料です。
風邪やウイルス性腸炎などで下痢・嘔吐・発熱による発汗を繰り返すと、多くの水分と電解質(塩分)を同時に失い、脱水状態になる危険性があります。特に乳幼児や高齢者は注意が必要です。
脱水状態時には、カラダから失われた水分と電解質(塩分)をできるだけはやく補う必要があります。OS-1は水分と塩分とを素早く吸収できるようにブドウ糖の濃度や塩分濃度が調整されています。
一般的なスポーツドリンクの塩分濃度は、軽い汗(軽運動、入浴時、寝汗)の塩分濃度と同じくらいになっています(10~23mEq/L)。一方、発熱にともなう中等度発汗の塩分濃度は軽い汗の約2倍、嘔吐物は約4倍、下痢便中では約4~6倍の濃さになっています。このようなときに失った塩分を補いやすいようにOS-1の塩分濃度が設定されています(50mEq/L)。
健康なときにはスポーツドリンク、脱水状態時にはOS-1と、必要に応じて使い分けるようにしましょう。
一日に必要な水分量の約半分は、食事から摂っています。そのため食事が十分に食べられなくなると、摂取する水分量も少なくなります。高齢になるほど脱水状態に陥りやすく、食事量が減少してくるとさらに脱水状態に陥る確率が高くなります。
このような高齢者の特徴を念頭に、普段の食事への配慮が大切です。食事量が減ってきたら、栄養状態だけでなく脱水状態にも注意してください。
脱水状態に陥った高齢者の方々で1週間、水分補給として「OS-1を中心に飲んだ方々」と「ミネラルウォーター(MW)を中心に飲んだ方々」とで比較したところ、OS-1では脱水状態から回復したが、MWでは十分に回復できなかったという報告もあります
汗は皮膚表面にある汗腺から出ています。この汗腺には、ナトリウム(塩分)を再吸収する能力があります。
軽い汗の場合は塩分の再吸収が十分に行われるので、塩分が薄くサラサラした水っぽい汗になります。一方、過度の発汗になると塩分の再吸収が追いつかなくなり、塩分の濃い汗になってしまいます。
暑熱環境下(暑い環境)では、仕事やスポーツによって過度の発汗になりやすく、大量の水分と塩分を同時に失い、脱水状態になりやすくなります。
季節の変わり目で、まだ暑さに慣れていない時期にも過度の発汗になりやすいので注意してください。
嘔吐や下痢および発熱などがあるときや食事量が減り続けているとき、暑熱環境での発汗があるときには軽度から中等度の脱水状態に陥りやすいです。医師の診断を受けるとともにOS-1の飲用をおすすめします。
暑熱環境下での脱水状態は熱中症を発症しやすいので、十分な注意が必要です。喉が渇く(徴候が現れる)前に早めにこまめにOS-1を飲むようにしましょう。
胃腸の調子が悪いなど、冷たいものが飲みにくい場合は、常温で飲むのが良いでしょう。温めても良いですが、沸騰させないようにしてください。※温めたまま放置しないようにしましょう。
発熱があるときや暑い場所で冷たいものが欲しい場合は、冷やして飲んでも構いません。
他の飲み物と混ぜてしまうと組成濃度が変わり、水分や塩分が効率的に補給できなくなる場合があります。
OS-1には、ゼリータイプで咀嚼・えん下が困難な場合にも用いることができる「OS-1ゼリー」もあります。
※ゼリータイプは温め不可
成人の場合、500~1000mlを一日の目安量として、脱水状態に合わせて適宜増減して飲みましょう。健康なときに飲んでも問題ありません。
経口補水液OS-1(オーエスワン)の基礎知識と飲み方について説明しました。
OS-1にはナトリウムとカリウムが比較的多く含まれています。高血圧、腎臓病などの疾患がある方は、飲む前にかかりつけの医師に相談しましょう。
OS-1は「水の救急箱」としてご家庭に常備しておくのもおすすめです。賞味期限には注意しておきましょう。
開栓後は冷蔵庫に保管し、24時間以内に飲みきってください。
高齢者の脱水患者を対象としたOS-1(食品)の水・電解質補給効果の検討-市販ミネラルウォーターを対照とした多施設共同並行群間比較試験-
サウナ浴による健常成人脱水モデルを対象としたオーエスワン(OS-1)の水・電解質補給効果の検討-市販ミネラルウォーターとの比較試験-
2022年6月20日更新
2019年7月22日更新
2013年8月1日公開
熱中症を予防したい
熱中症とは、高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウム)などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がうまく働かないことによる障害のことをいいます。近年、家庭で発生する高齢者の熱中症が増えており、高齢者では住宅での発生が半数を超えています。熱中症を予防するには「水分補給」と「暑さを避けること」が大切です。一度に摂取するのではなく、こまめな水分・塩分(ナトリウムなどのミネラル)の補給を心がけましょう。
花粉症をラクにしたい
花粉症の代表的な原因としてスギ花粉があげられます。ここ数年は少ない年でも人間の感受性の上限ほどの量が飛散しており、量が多い少ないというのは症状の重さとは関係なくなってきています。
花粉症は早期からの準備によってその症状をかなり軽減することができます。症状が出る前からの準備として、内服・点眼・点鼻薬を1月下旬から始めておくと効果的と言われています。症状が出始めたらお薬は継続しつつ、マスクやゴーグルなどで物理的に花粉の侵入を防ぎましょう。
虫よけを効果的に使いたい
気温が高くなると増えてくる、不快な害虫たち。蚊に刺されると強烈なかゆみと腫れに襲われますが、それだけにとどまらず、病原体を運んできてしまうことがあります。近年、そういった事例も増えており、その被害も無視できなくなってきたため、効果の高い虫よけの開発が急ピッチで進められてきました。2017年もマダニによって媒介される『ダニ媒介脳炎』によって死者が出ています。虫よけをうまく活用し、自分自身を害虫から守りましょう。
虫よけには様々なタイプがありますが、ムラなく塗り広げること、こまめに塗りなおすことが重要なポイントです。
衣替えのコツが知りたい
日本の四季に合わせるとそれぞれの季節に合った衣類を長期間保管する必要があり、衣替えというタイミングがやってきます。大切な衣類を長く愛用するためには長期保管中の虫食いや湿気対策など、しっかりとお手入れをすることが大切です。衣替えコツは、晴れて空気が乾燥した日に行うこと。湿気が多い日に行うと、カビの原因になることがあります。保管時のコツとして防虫剤の配置があります。防虫剤の成分は空気より重いので、上から下に広がることに留意して配置しましょう。
お出かけの必需品
出かけようとすると足りなくなるアレやコレ。思わぬ事態もつきものです。しっかり事前に準備して休日ライフを楽しみましょう。 そして、旅行につきものなのが、移動時間。この移動時間を快適に過ごすための工夫もしたいものです。
スポーツを楽しみたい
誰でも手軽に始めることができる有酸素運動として、ウォーキングや、ランニングが人気です。有酸素運動とは、体に過度の負担をかけることなく、酸素を取り込みながら行う全身運動のことで、「脂肪を燃焼させて体重を減らす」「筋力低下を防ぐ」「心肺機能を高める」「ストレス解消」「高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病の予防」「骨を強くする」など、さまざまな効果が期待できます。まずは1日1万歩。すぐにでも始められるウォーキングがおすすめですよ。
乗りもの酔いを予防したい
車や電車、船などに乗った時に現れる乗りもの酔い。酔わないための工夫も大事ですが、薬を使うのも効果的です。酔い止めの薬には作用する時間や眠気の強弱、1日に使える回数など様々な特徴があります。移動の長さや酔い方の傾向などから最適なお薬を選びましょう。また、かぜ薬に使用されている成分を使用しているものも少なくないので、服用中の薬がある場合は注意が必要です。車内は高温になることが多いので薬を常備する場所には向きません。ご留意ください。
血糖値が気になる
糖質はブトウ糖としてカラダ中へ運ばれます。健康な方でも食後には血糖値は上がり、食後2時間程度で血糖値は正常値に下がります。糖尿病になる前の段階の方(糖尿病予備軍・隠れ糖尿病)は、食後上昇した血糖値が下がりにくくなります。このような高血糖の状態が続くことで糖尿病や、動脈硬化を引き起こす危険もありますので、食後の血糖上昇を緩やかにすることが大切です。
[関連カテゴリー]