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2013年06月01日

食中毒の原因菌別にみる!正しい対処方法

はじめに

一口に「食中毒」と言っても、その原因や感染する菌は様々です。原因や菌ごとの対策や症状を理解して、食中毒に正しく対処しましょう。

細菌性感染型食中毒

細菌に感染した食品を摂取し、体内で増殖した細菌が病原性を持つことで起こる食中毒です。 代表的な原因菌としてサルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがあります。

細菌を食べることが問題なので、加熱、環境消毒、手洗いを行って食物へ細菌を付着させないことが重要です。

腸炎ビブリオ菌

刺し身や寿司など、生の魚介類が原因となります。

塩分のあるところで増える菌で、真水や熱に弱いのが特徴です。夏~秋口に多発し、食後4時間~96時間で、激しいげり腹痛などの症状が出ます。

買ってきた魚介類は5度以下で管理し、調理前に真水で洗浄するといいでしょう。75度で1分以上、加熱調理をすると安心です。二次感染にも注意しましょう。

サルモネラ菌

十分に加熱していない卵・肉・魚などが原因となります。菌は家畜、ペット、河川や下水にも分布しています。

乾燥に強く、熱に弱いのが特徴で、少量でも食中毒を引き起こします。食後6時間~48時間で、吐き気、腹痛、げり、発熱、頭痛などの症状が出ます。

食肉類の生食は避け、75度で1分以上、中心部までよく加熱調理をすることが重要です。卵は冷蔵庫保管にし、賞味期限を過ぎたものは生では食べず、必ず十分な温度で加熱調理をしてください。

病原性大腸菌

十分に加熱されていない肉や生野菜などが原因となります。

菌には数種類がありますが、十分に加熱すればふせげます。手洗いも念入りに行いましょう。少量菌数でも食中毒を引き起こします。

O157やO111などの腸管出血性大腸菌は、潜伏期間が3~9日。症状が重く、激しい腹痛、げり、血が多くまざったげりなどの症状が出ます。

症状が重くなると、死に至ることもあります。

カンピロバクター

十分に加熱されていない肉(特にとり肉)や、飲料水、生野菜などが原因となります。また、ペットから感染することもあります。

乾燥に弱く、加熱すれば菌は死滅します。食後2~7日で、げり、発熱、はきけ、腹痛、筋肉痛などの症状が出ます。

生食と調理した肉類は別々に保存し、飲料水は煮沸させましょう。二次感染にも気をつけてください。

ウェルシュ菌

水や土壌、特に食肉加熱調理品(カレー、シチューなど)が原因となります。酸素が少ない状態で増殖します。

症状は一般的に軽く、6~18時間で、げり、吐き気、嘔吐などの症状が出ます。

十分な加熱調理をし、調理後は早めに食べるようにしましょう。加熱食品は低温で保存します。弁当や給食にも注意が必要です。

赤痢菌

海産物(特に貝)、水、生野菜などが原因となります。熱に弱く、65度で死滅します。ただし、毒素を取り除くには80度で10分以上の加熱が必要です。

潜伏期間は1~7日で、3日位内に激しい腹痛、げり、血便などの症状が出ます。

コレラ菌

海産物(特に貝類・エビ)、などが原因となります。ヒトの腸管に入って増殖します。

潜伏期間は10時間~5日。1~2日で、下痢、激しい嘔吐などの症状が出ます。

手洗いを念入りに行いましょう。海外では生ものを避けるのが無難です。

エルシニア・エンテロコリチカ菌

食肉加工品(特に豚)、乳・乳製品などが原因となります。

28~32度で増えやすく、ヒトの腸管でも増殖します。低温細菌なので、冷蔵庫を過信しないようにしましょう。耐熱性はなく、低温殺菌で十分殺菌されます。

潜伏期間は、24時間~36日で、1~2日以内に発症します。頭痛、下痢、発熱などの症状があります。

リステリア・モノサイトゲネス菌

(フレッシュチーズ)、肉(生、醗酵ソーセージ)などが原因となります。

酸に比較的強く、6%の食塩にも耐性があります。また、低温貯蔵中に増殖する特徴があるので、冷蔵庫を過信しないようにしましょう。

潜伏期間は1~数週間で、健康な人ならば感染してもほとんど症状はありません

菌は70度の加熱で速やかに死滅します。生野菜は直前によくあらってください。

細菌性毒素型食中毒

食品内で細菌が産生した毒素を摂取することで起こる食中毒です。代表的な原因菌として、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などがあります。

毒素を食べることが問題なので、加熱殺菌、低温保存等により、食物上での繁殖を防ぐことが重要です。

黄色ブドウ球菌

ヒトの皮膚、鼻や口の中にいる菌です。傷やニキビを触った手で食べ物を触ると菌が付きやすくなります。そのため、おにぎりやサンドイッチなど、加熱した後に手作業をする食べ物が原因となります。

この菌が作る毒素は熱に強く、一度毒素ができてしまうと、加熱しても食中毒を防ぐことはできません

食後30分~6時間で、はきけ、腹痛などの症状が出ます。

手指の洗浄消毒が有効です。手指に傷や化膿創のあるときは、加熱なしの調理は避けましょう。

セレウス菌

穀物加工品(チャーハン・ゆでたスパゲティ)などが原因になります。自然環境に広く分布する菌で、加熱しても死滅せず食品中で増殖すると毒素を産生します。

下痢型は8~16時間、嘔吐型は30分~6時間で発症し、症状はどちらも軽く、1~2日で全快します。

室温で6時間以上放置すると嘔吐毒が発生するため、必要以上に大量の米飯・麺類の調理することは避けましょう。米飯・茹でたスパゲッティなど余った場合は室温放置せず、低温保存するようにしてください。

ボツリヌス菌

魚肉発酵食品(いずし)や、酸素のない状態にある缶詰、瓶詰め、パック製品、ハム・ソーセージなどが原因となります。食品中で毒素(神経性)を産生し、その食品を摂取することで食中毒になります。

新鮮な原材料を用いて洗浄を十分に行い、低温保存と喫食前には十分に過熱することを徹底するといいでしょう、

潜伏期間は通常8~36時間、毒素量により2~3時間から2週間におよぶものもあります。

初期症状は悪心、嘔吐などで、めまい、頭痛、複視、瞳孔拡大、眼瞼下垂などのがあります。症状が進むと、発声困難、嚥下困難、起立不能などの神経障害などが起こり、呼吸困難により死に至ります。

致死率が非常に高いです。

ウイルス性食中毒

ウイルス性食中毒は、ウイルスが蓄積している食品の摂取や、人の手を介して感染が起こります。その大部分がノロウイルスです。

ノロウイルス

カキなどの二枚貝を生や十分加熱しないで食べた場合や、ウイルスに汚染された水道水や井戸水などを飲んで感染します。

10~4月にかけて集中発生し、ヒトの腸内のみで増殖。少量で感染し、感染力が強いのが特徴です。

食後1~2日で吐き気、ひどいげり、腹痛、発熱などの症状がでます。

熱に弱いので、85度以上で1分間以上加熱し、手洗いも念入りに行なって下さい。調理器具で二次感染することもあるので、まめに洗浄しましょう。

食中毒にかかった人の便や、嘔吐物から感染することもあるので、触ってしまったときは石けんでよく手を洗います。

E型肝炎ウイルス

加熱不足のブタなどの肉や内臓が原因となります。また、海外の地域によっては生水や生ものから感染する場合もあります。

熱に弱いので、生食をさけ、中心まで十分に加熱すれば防ぐことができます。

ほとんど症状は出ませんが、一部の人は感染から平均6週間たつと、だるくなったり、ひふが黄色くなったり、発熱したりします。

自然毒食中毒

自然毒とは動物や植物が本来持っている有毒成分と、食物連鎖を通して動植物に取り込まれたものを言います。

人がこれら有毒成分を含む動植物を食べることで引き起こされる健康被害のことを、自然毒食中毒といいます。

自然毒は、植物性自然毒と動物性自然毒に大別されます。

植物性

【トリカブト】
トリカブトの毒素アコニチンは、植物全体、特に芽、塊根にふくまれる猛毒です。アコニチンは中枢神経の麻痺作用があり、嘔吐、下痢、口のしびれ、手指の麻痺などを引き起こします。

重症の場合は死にいたります。

【毒キノコ】
主に「神経性症状型」「胃腸症状型」「猛毒型」の3つに大別できます。

神経系症状型は、発汗、よだれ、しびれ、幻覚、精神錯乱等の症状が発症します。代表的なものは、テングタケ、ドクササコなどです。

胃腸症状型は、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が発症します。代表的なものは、カキシメジ、ツキヨタケなどです。

猛毒型は、嘔吐、下痢、腹痛等の症状があります。

重症になると、肝臓、腎臓障害を起し、死にいたります。

【ジャガイモ】
ジャガイモの毒素ソラニンは、表皮や芽に含まれています。ソラニンは神経毒を持ち、溶血、腹痛、頭痛、嘔吐等を起こします。

動物性

【フグ】
フグの毒素テトロドトキシンは、卵巣や肝臓に多く含まれています。

口唇麻痺、舌先、指先、手足のしびれなどの症状を起します。重症では、歩行困難、知覚麻痺、言語障害、呼吸困難、血圧低下など。

最悪の場合、呼吸麻痺により死にいたります。

【貝】
貝中毒には「麻痺性貝毒」「下痢性貝毒」「巻貝中毒」の3種類があります。

麻痺性貝毒とは、ホタテガイ、ハマグリ、アサリなどの二枚貝の中腸腺に多く存在するサキシトキシン、ゴニオトキシンが毒性成分です。

症状として口唇、舌、顔面のしびれを起こし、重症の場合は歩行障害、嚥下困難、言語障害、呼吸麻痺などが起こります。

おわりに

食中毒原因や菌は、とても多くの種類があります。特に、夏場や旅行時など、定期的にチェックし、まずは感染を防ぎましょう。

2019年7月3日更新

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