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2022年02月10日

乳児期から学童期までの子どもに多い肌トラブル 季節性の乾燥肌もしっかりケア!

はじめに

つるつるすべすべなイメージのある子どもの肌ですが、実は大人に比べるとデリケートで肌トラブルが起きやすい時期。ここでは乳幼児から学童期までの子どもにどんな肌トラブルがあるのか、どういった予防ができるのか紹介していきます。

なぜ子どもは肌トラブルが起こりやすいの?

肌の表面は角質層などの表皮で覆われており、この表皮がバリア機能をはたして外部の刺激から肌を守っています。しかし、子どもの肌は大人の半分ほどしか表皮がなく、バリア機能が弱いのです。それによりさまざまな肌トラブルが起こります。
さらに肌の表面から水分の蒸発を防いで乾燥から皮脂を守る皮脂膜も、年齢によって変化し、乳児期から学童期初めごろまで分泌量が低い状態が続きます。そのため大人に比べて乾燥に弱く、かさつきなどの乾燥肌に悩む子どもが多いのです。

皮脂膜は下記のように変化します。

生後~4週間までの新生児期

母体から受け取ったホルモンの影響で、一時的に皮脂の分泌が活発になっています。

生後4週間~1年までの乳児期

母体からの影響がなくなり、皮脂量が減っていきます。3、4ヵ月を過ぎた頃を目安に乾燥肌が気になるようになります。

生後1年~5、6歳までの幼児期

生涯でもっとも皮脂量が少ない時期と言われています。

5、6歳~12歳までの学童期

思春期に入ると体に変化が起こり、皮脂量が増え始めます。

子どもに起きやすい肌トラブルの種類

年齢によっても変わる子ども肌には、さまざまな肌トラブルが起こります。新生児期から乳児期、幼児期から学童期にはそれぞれどんな肌トラブルがあるのか、代表的な湿疹・皮膚炎を紹介します。

新生児期~乳児期

脂漏性皮膚炎(乳児湿疹)

母体のホルモンの影響を受ける生後2~4週頃の新生児に多くみられ、皮脂の分泌が活発な頭部や顔、脇の下、首まわりなどに、痂皮(かひ)と呼ばれるカサカサしたかさぶた状のものができます。フケのように見える場合もあります。

固まってくっついている痂皮はワセリンなどで柔らかくしてから、しっかり洗い落とします。必要に応じて非ステロイド軟膏やステロイド軟膏で治療するケースもあります。

あせも(汗疹)

乳児は汗をかく機能が未発達なため、汗を多くかいた際に汗腺の出口が詰まって炎症を起こすことがあります。汗の腺に炎症ができるので、赤い小さな発疹がたくさんできてかゆみを生じます。ひどくなると黄色の膿をもった発疹が生じたり、湿疹になったりします。

汗をかいてもすぐに肌が乾くように、通気性のよい肌着を選び、汗はこまめに拭くようにしましょう。発疹や湿疹が気になるときは、医師に相談しましょう。

接触皮膚炎(おむつかぶれ)

おむつで蒸れたり、皮膚に残った尿や便、汗などによって生じるおむつかぶれは、接触皮膚炎の一種です。皮膚炎が悪化すると、赤い傷のようになり痛みを伴うことも。また、乳児の陰部や股関節部にカンジダというカビが感染する「皮膚カンジダ症」も、おむつかぶれと似た症状が現れます。通常のおむつかぶれとは塗り薬が異なるため、病院で診断をしてもらいましょう。

おむつかぶれができてしまったら、おむつ交換をこまめに行い、おむつ内を清潔に保ちます。皮膚についた便はこすらず優しく洗い流したあと蒸れないようにしっかり拭きましょう。

幼児期~学童期

乾燥肌、小児乾燥性湿疹

皮脂量が減る幼児期は乾燥肌に悩む子どもが多くなります。カサカサしてかゆくなったり、白い粉が吹いたり、皮膚がひび割れることもあります。乾燥が多い部分にシワが多くなることも。カサカサしている部分に湿疹ができているときは、小児乾燥性湿疹の可能性があります。

小児乾燥性湿疹はかゆみがひどくかきむしってしまう子もいるので、爪を短く切って肌を傷つけないようにします。塗り伸ばしやすいローションタイプのかゆみ止めなどを使用するのもいいでしょう。そして大事なのは保湿です。子どもにも使用できる低刺激の保湿剤で、気兼ねなく塗れる使いやすいものを選んで、毎日保湿するようにしましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)

引っ掻き傷やアトピーなどの肌のバリア機能が弱っているところに、ブドウ球菌や連鎖球菌といった細菌が入り込んで繁殖することで発生します。医学用語では伝染性膿痂疹と言いますが、患部を触れた手で他の場所を触ると、火事の「飛び火」のように症状が広がることから「とびひ」と呼ばれています。他人に感染することもあり、プールなどはお休みさせる必要があります。

感染症ということもあり、気づいたらすぐに小児科や皮膚科を受診することが大事です。傷から細菌が入り込むことがあるため、爪は短く切っておきましょう。鼻の中に、とびひの原因になる黄色ブドウ球菌がいるため、鼻をほじったり触ったりするのはやめさせましょう。

水イボ(伝染性軟属腫)

皮膚感染症の一種で直径2~10mmのほどのイボが発生します。押すと柔らかく中央がおへそのようにくぼんでいるのが特徴です。イボは5、6個のこともありますが、数十個できることもあり、夏場のプールなどで感染するケースが多いと言われています。通常かゆみはありませんが、掻いて炎症を起こすとかゆみや痛みを生じます。

自然治癒するケースもありますが、周囲への感染を防ぐためにもまずは皮膚科を受診しましょう。治療では特殊なピンセットで水イボをつまんで摘出する方法や、ウイルスを冷凍することで除去する冷凍療法などが行われます。

感染症対策で起こる子どもの肌トラブル

毎日マスクをしたり、手洗いやアルコール消毒の回数が増えたり、今までなかった新しい習慣をきっかけにした子どもの肌トラブルが増えています。
マスクによる蒸れやこすれは、肌の刺激になってかぶれと呼ばれる接触皮膚炎の原因になります。肌当たりの優しいマスクにしたり、大人よりも汗をかきやすいということを考慮してマスクを頻繁に変えたりといった対策をしましょう。擦れが気になる部分には、予めワセリンなどを塗って保護しておくのもいいでしょう。
手洗いやアルコール消毒は、もともと皮脂の少ない子どもの肌からさらに皮脂を取りのぞき、乾燥による手荒れを引き起こします。アルコール消毒の刺激などから、あかぎれや手湿疹を発症するケースもあります。乾燥だけで済んでいる場合は保湿を十分に行い、かゆみなどを伴う手湿疹を発症している場合は皮膚科や小児科に相談をし、ステロイド軟膏などを取り入れた治療を行いましょう。

肌トラブルの原因となる乾燥をしっかりケアしよう!

乾燥は肌のバリア機能を低下させて、ハウスダストやダニ、花粉などの外的刺激を感じやすくさせます。またかゆみも感じやすくなるため、無意識にかいてしまう子どもも多く、炎症を起こすこともあります。
そんなさまざまな肌トラブルのもとになる乾燥、しっかりとケアをしておきたいものです。乾燥肌の予防に、次のような対策を取ってみてはいかがでしょうか。

保湿

まず一番の予防は保湿です。乾燥しやすいお風呂上りには、全身にローションやクリームなどを塗ります。赤ちゃん用や子どもにも使えるものなど、大人と共有せずに年齢に合わせたものを使います。特に乾燥がひどい部分には油分で出来ているワセリンでフタをするのもいいでしょう。乳児期や幼児期には、通常のワセリンよりやわらかくて伸びがよいベビーワセリンもあります。手洗いなどで乾燥しがちな部分には、その都度保湿しましょう。

長風呂はしない

長風呂や熱いお湯は、皮脂を必要以上にとってしまい、乾燥が進みます。38~40度くらいのお湯の温度を保ち、指先がふやける前に上がり、軽く体を拭いたら少し水分が残っているうちに保湿しましょう。

部屋の加湿

室内の乾燥も子どもの乾燥肌の引き金になります。加湿器などを置いて、室内の湿度を40~60%に保つようにしましょう。湿度調節と併せて、ときどき子どもの服の中が蒸れていなかを確認して着替えさせたり、温度の調節もしましょう。

衣類や寝具の素材をコットンに

ナイロンやアクリルなどの化学繊維の中には、乾燥肌を引き起こしやすいものもあります。乾燥肌だけではなく、かゆがりやすい子や敏感肌の子も化学繊維は避けたほうがいいでしょう。購入時には肌触りなどのほかに、タグを確認して綿100%のものを選びましょう。肌着以外にも、寝具やタートルネックの首周りなど、肌に触れる部分の素材には気を配りたいですね。


乾燥対策をしていてもかゆみが出てしまったら、まずは保湿で対処します。痛みや化膿がなければ、抗ヒスタミン成分を配合した塗り薬でかゆみを抑えるのもいいでしょう。4~5日たっても症状が良くなっていなければ、小児科や皮膚科を受診します。炎症がひどいときや痛がっているときも早めに受診して、専門の医師に相談しましょう。

乾燥肌を原因として、かゆみや湿疹が繰り返し現れている場合は「アトピー性皮膚炎」という病気の可能性もあります。自己判断せずに小児科や皮膚科を受診しましょう。

おわりに

乾燥肌をはじめとした子どもの肌トラブルは毎日のケアが必要になります。悪化させないためには子どもの様子をチェックすることも大事です。毎日の習慣になるよう使いやすい保湿剤などを探して子どもや家族とコミュニケーションを取りながら続けていきましょう。

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    しっかり洗って予防、できてしまったら塗り薬でケア、肌荒れ予防にはビタミンや漢方の飲み薬。といった具合に、組み合わせてしっかりとケアしましょう。

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