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2021年03月18日

視力検査では発見されにくい子どもの「隠れ近視」

はじめに

若年層の近視は年々増加傾向にありますが、視力を測るだけの検査では見つかりにくい「隠れ近視」の子どもが増えています。コロナ禍の自粛生活も関係しているという子どもの「隠れ近視」について、その症状や原因、家庭でできる対策を確認していきましょう。

今、子どもに増えている「隠れ近視」とは?

近視とは、近くは見えるけれど、遠くがぼやけて見えにくい状態をいいます。目が物を見る仕組みは通常、瞳部分を囲う角膜と水晶体から入った光が屈折して、眼球の奥にある網膜にピントが合うことで像として捉えます。眼球の奥行きが伸びて網膜にピントが合わなくなると、遠くが見えにくい近視の状態になります。眼球の奥行きの長さを眼軸長(がんじくちょう)といい、多くの近視はこの眼軸長が伸びることでおこります。

子どもの近視は、学校の視力検査で指摘されて気づくことも多いでしょう。しかし、視力検査では問題ないにもかかわらず、極端にテレビや本に近づいているのが気になったり、目を使った後に疲労感を訴えたりしたことから眼科を受診し、眼軸長を測ると正常な眼球よりも伸びていて近視と診断される「隠れ近視」の子どもも増えています。
眼軸長が伸びる「隠れ近視」の状態を引き起こす原因は、以下のようなことが挙げられます。

近距離で見る機会が増えた

近くをずっと見ていると、その状態で網膜にピントが合わせやすいように眼軸長が伸びていきます。スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機など、近距離利用がメインの電子機器に囲まれている今の子どもたち。さらにコロナ禍で自宅学習が増えたり、習い事や授業がオンラインになったりと、近くを集中して見る機会が増えていることからも、子どもの近視は増加傾向にあります。

太陽光を浴びる機会が減った

太陽光が眼軸長の伸びを抑えて、近視を抑制することがわかってきています。自粛生活で外出する機会が減り、太陽の下で過ごす時間が短くなったことも近視の子どもが増えている原因の一つに挙げられます。

放置するとどうなる?進行が早い子どもの近視

子どもの近視の原因の多くはこのコロナ禍ではなかなか避けられないものですが、放置するのはよくありません。学校の視力検査に引っかからないなら…、と「隠れ近視」をそのままにしていると、どんな問題があるのでしょうか?

子どもの近視は進行しやすい

近視は進行する症状です。特に子どもは身長が伸びる時期に眼軸長も伸びるため、成長期に近視が進みやすいといわれています。伸びてしまった眼軸長は元に戻せません。成長期にいかに眼軸長を伸ばさないか、気づいた時点で対策を行えるかが、近視の進行を抑えるポイントになります。

さまざまな目の病気の原因に

近視は視力を低下させるだけではなく、さまざまな目の病気の原因になります。近視が進み眼球が伸びた場合は網膜も伸びて薄くなり、大きな負担がかかります。網膜が剥がれて視野の一部が欠けたり、進行すると失明の危険性がある「網膜剥離」を引き起こすことも。同じく視野が部分的に見えなくなる「緑内障」も、近視が強い人のほうがリスクは高いといわれています。近視が進行すると眼軸はさらに延びて、メガネなどをかけても視力を矯正できない病的近視の恐れも高くなります。

頭痛や肩こりなど間接的な問題も

近視で物が見えにくくなると、目の緊張が続き、頭痛や肩こりなども引き起こします。また見えにくさや疲労感から不機嫌になったり、勉強に集中できなかったりと間接的な問題もでてきます。

学校の視力検査で再検査にならなくても、目に違和感がある仕草をしていたり、見えにくそうにしているようであれば、隠れ近視の可能性がありますので眼科で検診を受けましょう。また、近視以外に他の目の病気が隠れていることもあります。

日常生活の中でもできる対策

近視を進行させないためにはどんなことをしたらいいのでしょうか。ここでは、日常生活の中でできる対策を紹介します。

定期的に目を休める

学校の授業では、近くの教科書やノートを見て、遠くの黒板を見るという、近くと遠くを見る作業が交互にあります。ところがオンライン授業だと遠くを見る時間がほとんどなく、近くにずっとピントがあっている状態です。これを解消するために休憩時間は目を休めるようにしましょう。遠くを見て、リラックスして過ごすのがいいでしょう。休憩だからといってスマートフォンなどを見るのはNG。携帯ゲーム機などで遊ぶときも、定期的に遠くを見る時間を作りましょう。

大きな画面に映す

動画を観るときは、大きなテレビ画面に映すことも対策になります。同様に携帯ゲーム機もテレビに接続できる機種は、大きな画面で遊ばせると近くを見続けることを防げます。

正しい姿勢を取る

勉強や読書をしたり、パソコンやスマートフォンを見たりするときは、背筋を伸ばし、左右の目が同じ距離になるよう顔を傾けずに向き合いましょう。寝ころんだり傾いた姿勢で見続けると、近視が進むだけではなく、視力の左右差が出やすいといわれています。勉強机に座っている姿勢も、過度に傾いていないかチェックしてみましょう。

読書は適度に明るい環境で

暗いところで本を広げると、近づかないと読みにくいため、近距離で集中して見ることになります。近視の原因である眼軸長の延長につながりますので、適度に明るい環境を作りましょう。

太陽光を浴びる

太陽光に含まれる「バイオレットライト」という紫色の光を浴びると近視の抑制効果があると発表されています。1日2時間以上浴びるのが理想です。曇りの日や日陰でも効果があるといわれているので、外出が難しければ部屋の中に太陽光を取り込みましょう。通常の窓ガラスはバイオレットライトをカットするため窓は開け、レースカーテンなどの薄手のカーテンも開けておきましょう。

これらの対策と合わせて、眼科の検診を受けることも必要です。定期的に視力、眼軸長の検査を受けましょう。また適切な眼鏡をかけることも、近視の進行を防げます。眼鏡を使うと近視が進んでしまうと考える人も多いかもしれませんが、適切な度数の眼鏡は近視を抑えられるといわれています。成長期の子どもは視力や顔の形も変わりやすいので、定期的に度数、フィット感をチェックしましょう。

おわりに

コロナ禍で生活環境が変わり、子どもの目の負担も増えています。違和感があるときは、自己判断せずに眼科を受診しましょう。近視の原因になるゲーム類は、大きな画面に映して正しい姿勢で行うことで近視対策になるので、自粛生活を強いられている子どもたちの息抜きを工夫しながら残していきたいですね。

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