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のどが赤く腫れてつらい...その症状は「溶連菌感染症」かも?

のどが赤く腫れてつらい...その症状は「溶連菌感染症」かも?

はじめに

急にのどが痛んで熱が出れば、大抵の人はまず「風邪かな?」と考えることでしょう。もちろん、その可能性もありますが、特に患者が子供なら、「溶連菌感染症」を疑ってもいいかもしれません。

こちらは学童期の子供に多い病気のひとつで、のどの痛みが風邪より強いといわれています。ただ、適切な治療さえ受ければ、ほんの数日で回復が見込めるので、あわてず医師の診断を仰ぐことが大切です。ここではそんな溶連菌感染症の特徴を確認してみましょう。

細菌による、ごく身近なのどの疾患

「溶連菌感染症」とは略称で、正式には「A群溶血性レンサ球菌感染症」などと呼ばれています。温帯地域をはじめ、広く世界中に分布する急性の疾患であり、その代表的な疾患として主にのどの粘膜に溶連菌が入り込むことで発症するのが「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」です。

溶連菌はごくありふれた細菌のため、すべての年齢層の人が感染します。とはいえ、大人や乳児は保菌者となっても、それほど症状が表に出てこないようです。ただ、大人はまれに「劇症型溶連菌感染症」のように重症化する場合があります。また、「大人は咽頭痛に加え、激しい頭痛、関節痛、倦怠感など、インフルエンザに似た症状が主体のことが多く、インフルエンザ検査陰性ゆえに『風邪』と診断されるケースが多い」とも言われています。

対して幼児や学童は多く発症し、3~13歳くらいは注意が必要です。学校などで蔓延しやすいうえに、溶連菌はワクチンがないため、繰り返し発症するケースも珍しくありません。

こうした事情から、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、特定の小児科医療機関で発生動向を定点観測しています。流行のピークは冬場と春から初夏にかけてですが、発生件数はインターネットでも公表されているので、気になる人は「自治体名+A群溶血性レンサ球菌咽頭炎+感染症発生動向調査」で検索してみましょう。

例:東京都感染症情報センター

【劇症型溶血性レンサ球菌感染症】

溶連菌はまれに重篤な「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」を引き起こします。そのメカニズムはよくわかっていませんが、発症すると急速に進行し、体が壊死したりもするのです。患者は30代以上が多く、致死率は30%にも上るため、「人食いバクテリア」とも呼ばれています。

のどの痛みが最大の特徴

溶連菌の潜伏期間は2~5日です。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の初期症状は、風邪やインフルエンザに似ているので、混同しないように気をつけましょう。

【症状】
突然の発熱、のどの痛み、全身倦怠感、吐き気、頭痛、腹痛、首筋のリンパ節の腫れなどが現れます。風邪と異なる点は、せきや鼻水がないことです。さらにイチゴ舌と呼ばれる赤い斑点が出たり、全身の皮膚に赤い発疹が出ることもあります。

【診断】
綿棒でのどの粘膜などをぬぐって検体を採取し、1~2日培養することで溶連菌かどうかを確かめます。また、迅速抗原キットを利用すれば、5~10分ほどで結果を得ることができます。

【治療】
ペニシリン系の抗生剤が有効で、ほとんどの場合、処方薬を飲めば1~3日で症状が改善します。ただし、「落ち着いたから」と自己判断で薬の服用を止めてしまうと、急性糸球体腎炎などの合併症を起こす可能性があります。薬は7~10日分は出されるはずなので、必ずきちんと飲みきって溶連菌を完全に撃退してください。

予防の基本は「うがい・手洗い」

溶連菌は感染力が強く、せき・くしゃみなどによる飛沫で簡単に広がります。以下のようなことに気をつけて予防してください。

・こまめにうがい・手洗いを行いましょう。

・マスクを着用しましょう。

・家庭内感染も多いので、食器やタオルの使い回しはやめましょう。

・消毒用エタノールで手指や身の回りの品々を拭き、清潔さを保ちましょう。

発症してしまったら

周囲に溶連菌を広げないためにも、きちんと治療を受けることが大切です。無理せず自宅で回復に努めてください。

・抗生剤を飲んで安静にしましょう。

・食事はのど越しの良いゼリー、ヨーグルト、プリン、ポタージュスープ、おかゆなどがオススメです。「熱い」「辛い」「すっぱい」「苦い」といった刺激物は避け、炭酸水も控えましょう。

登校・登園の目安は?

「抗菌薬を服用してから24~48時間が経過していること」です。熱のダメージから体が回復しているかなども踏まえ、周囲が子供の体調を見極めてあげましょう。

おわりに

実は『若草物語』などに出てくる「猩紅熱」も、溶連菌感染症の一種です。猩紅熱といえば、20世紀半ばまでは隔離入院が必要でしたが、ペニシリンの発見のおかげで治療が容易になりました。通常の溶連菌感染症はすでに危険な病気ではありませんが、それでも油断は禁物です。医師の指示に従って、一定期間、薬を飲み続けることを徹底しましょう。

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