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副作用は悪いばかりじゃない?

はじめに

副作用というと薬がもたらすとてもよくない作用のイメージがあります。実際そういうものも多いのですが、本当に副作用は悪いものばかりなのでしょうか。

そもそも副作用って?

副作用とはこの字が示す通り、主作用にとは別の作用を指しており、実は悪い作用のことを言っているのではないのです。英語では“side effect”と言い、言うなれば「別の作用」です。この副作用も上手く使えば主作用として有効に使うことができるものもあるのです。

副作用を利用した医薬品や効能 (一般用医薬品)

◆ドリエル
市販薬として初めての睡眠改善薬として登場しました。使用されている成分は「ジフェンヒドラミン」というもの。古くからアレルギーの薬として使われており、鼻炎やじんましんに内服や軟膏などで使われています。 服用すると強い眠気が副作用として出ますが、これを利用して睡眠改善薬としたのが「ドリエル」です。

なお、以下のような成分は同じですが抗アレルギー薬として販売されているものとドリエルでは効能・効果や用法・用量が全く違うため流用はできません。

レスタミンコーワ糖衣錠
効能・効果 … じんましん、湿疹、かぶれ、かゆみ、鼻炎
用法・用量 … 1回30mg、1日3回まで

ドリエル
効能・効果 … 一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い、眠りが浅い
用法・用量 … 1回50mg、1日1回就寝前

◆リアップシリーズ
日本で初めて「発毛」を効能として認められた医薬品です。
使用されている成分は「ミノキシジル」で、これはもともとアメリカで血管拡張作用を利用した高血圧の薬とした内服薬でした。服用していると増毛する副作用があり、これを研究したところ髪を育成して脱毛症を回復させる効果があることが分かりました。
発毛剤としては外用薬になっていますが、リアップシリーズも副作用を利用した医薬品ですね。

いまさらきけない「リアップ」物語はこちら>>

副作用を利用した医薬品や効能 (医療用医薬品)

◆アスピリン
古典的な解熱鎮痛剤ですが現在でも用いられています。市販薬だとバファリンAなどに使用されています。

アスピリンは非常に優秀な解熱鎮痛作用を持っていますが、胃の防御因子を阻害して胃炎や胃潰瘍の原因となったり、血を固まりにくくして出血傾向になってしまったりという副作用がありました。
この副作用のうち血液に対する作用は解熱鎮痛剤として使うよりもずっと少ない量で現れます。

これにより、少用量のアスピリン製剤が作られ、これを継続的に服用することで血栓の予防に使います。
少用量なので胃へのダメージも解熱鎮痛剤として使う場合に比べるとかなり軽減されるので毎日飲み続けることができるのです。

◆コデインリン酸塩
咳止めとして市販薬にも多く配合されています。この薬には便秘の副作用があるのですが、便秘になるということは下痢を止める作用もあると言えます。
ということで、医療用医薬品としては効能・効果に「激しい下痢症状の改善」と記載されており、乳幼児の下痢に単独で使用します。

副作用と有害事象

あまり知られていませんが、副作用と混同される出来事に「有害事象」というものがあります。

副作用は薬の服用によって発生した作用をいいますが、有害事象は「薬との因果関係に関わらず、服用後に現れた有害な出来事」です。
副作用なのか有害事象なのかで問題になったこととして、インフルエンザ治療薬「タミフル」による異常行動というものがありました。当初はタミフルによる副作用と言われていましたが、その後時間をかけて統計を取ってみるとタミフルの服用に関わらず発生していることが分かってきました。
このため、タミフルの添付文書(説明書のようなもの)には、因果関係は不明ながら服用後に異常行動による転落等が発生しているため10歳以上の未成年者には原則使用しない旨の記載があります。
タミフル服用後の異常行動は副作用ではなく有害事象です。

インフルエンザにかかったときに、タミフル以外の薬が出ているからと言って異常行動が出ないということはありません。副作用と有害事象、違いをしっかりと覚えておきましょう。

おわりに

薬は毒にもなる、といいます。これはまさにその通りで、多くの薬は使い方を間違えれば病気を治すどころか健康被害をもたらしてしまいます。
しかし、薬の特性を熟知し、用法・用量を工夫することで、その薬にはまた新たな有効性が与えられることもあります。
副作用という言葉に拒否反応を示すのではなく、副作用で健康被害が出てしまった原因にも注目したいですね。

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