気温が上がってくると、家の中にアリが侵入しているのを見かけることがありますね。一匹しかいなかったから安心していると大きな間違いです。アリの巣を突き止めアリを駆除する方法をご紹介していきます。
黒いアリ(クロアリ)はよく外で見かけると思いますが、シロアリは家の木を食いつぶす被害で恐れられていることで有名です。しかしクロアリとシロアリは全く別の進化を遂げてきた昆虫で、クロアリの先祖はハチでありシロアリの先祖はゴキブリ。約1億年から3億年前には、既に別々の系統に分かれていました。それから進化した結果、現在のように似たような生態をもつ昆虫になったと言われています。社会性昆虫とは、アリは女王アリを中心にして、全てのアリが役割を持って集団生活を営んでいる昆虫のことです。
一口にクロアリと言っても、生息する場所や好む食べ物などによって種類が変わってきます。
クロアリは雑食性のアリと吸密性のアリに分かれ、家屋にも浸入してくるのです。
○雑食性のアリの特徴
・ミミズや虫の死骸を運ぶ
・民家周辺に多い
・虫の死骸を好んで食べる(蜜もなめる)
種類:トビイロシワアリ、イエヒメアリ、オオズアリ、ルリアリ
(※イエヒメアリは家の壁の中に巣を作ることもあります)
○吸密性のアリの特徴
・砂糖や植物に寄生しているアブラムシが分泌する蜜などを好む
・餌を持って運ぶ習性はあまりない
・雑木林など緑のある所に多く生息する
種類:アミメアリ、トビイロケアリ
巣の外に出ているアリは、ほんの一部のアリ。約97%のアリは巣の中で活動をしています。
家の中で見るアリは働きアリ。いくら駆除しても次から次へと巣の中から出てくるので、巣ごと駆除するのが適切です。
どのように駆除していったらよいのか順序立てて見ていきましょう。
①アリの侵入口を見つける
まずアリがどこから入ってきているのか探します。わからない場合、アリが一番多くいる場所を見つけ、外までたどっていくとわかることが多いです。
巣は必ずしも土の中ではなく、家の壁の中に巣を作るイエヒメアリもいます。
②家に侵入しているアリを駆除する
掃除機でアリを吸うと出てくることもあるので、ウェットティッシュや薄めの床洗剤などをふきかけた雑巾でふき取ります。
③巣を駆除する
○巣を発見できた場合
巣の上から殺虫剤をまく、巣の周辺に毒餌やアリ用のジェル剤など置いて巣ごと退治しましょう。
○巣が発見できない場合
アリの行列に毒餌殺虫剤を置いたり、働きアリの見られる所に毒餌を配置したりします。働きアリが巣に餌を持ち帰り、巣ごと駆除する方法です。
③侵入経路に薬剤をまき塞ぐ
家の中のアリを退治したら、アリが上がってくる入口部分にパウダータイプの殺虫剤などをかけ、侵入経路をふさぎましょう。経路がわからない場合は窓枠の角などに、1㎝ほどの高さになるように薬剤をまくと効果的です。
アリを寄せ付けないためには、家の中に餌となる食べ物を残したままにせず、掃除をすることや放置しないことが重要です。
毎日簡単にできそうな予防策は
・台所周辺はきれいにする
・使った食器は放置しない
・残飯は処理する
・ごみ箱にふたを付ける
などが挙げられます。
他に、アリの侵入口となる外壁や巣を作りやすい木材の腐敗した部分が補修する、防腐剤を塗っておき巣を作れないようにするなども予防につながるでしょう。
アリは人に噛みついたりすることもあるので、家の中でみかけたら早めに駆除し、侵入を防ぐようにしましょう。