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ヒートショックを防ぐには? 正しい予防と万一の時の対処法

ヒートショックを防ぐには?正しい予防と万一の時の対処法

はじめに

本格的に寒い季節になると注意したいのがヒートショックです。急激な寒暖差を感じる事で血圧が変動し、さまざまな健康被害を引き起こすヒートショックは、最悪の場合突然死に至るケースも。その予防と対策について、正しく理解しておきましょう。

実はとても怖いヒートショック現象

暖かい場所と寒い場所を移動するだけで、起きる可能性のあるヒートショック。普段の生活の何気ない行動が原因となりますが、時には命を脅かすこともある非常に怖い現象です。

例えば「厚生労働科学研究費補助金 入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究 平成25年度 総括・分担研究報告書」によると、1年間に全国で19,000人もの人が入浴中にヒートショックで死亡しています。この数は、全日本交通安全協会が発表している交通事故の年間死亡者数の約4倍にあたる数字であり、大変多くの被害が出ていることが分かります。

事故が多いのは、寒さが特に厳しい12月から2月にかけて。重篤なヒートショックにおいて最もリスクが高いのは入浴時で、死亡者の約82%が高齢者であることから、冬期の高齢者の入浴時には細心の注意を払う必要があります。

しかし、単に寒さ=ヒートショックの原因とは言い切れません。東京都健康長寿医療センターの調査によると、事故の発生件数県別ワースト3は、香川県、兵庫県、滋賀県。いずれも北国ではありません。

北国は屋外と屋内の寒暖差が大きくなります。それがわかっているから、北国では外出時の防寒に力を入れ、屋内外の移動時の急激な温度変化を防ぐ対策がとられているようです。それが被害数に大きく左右しているのです。

だからこそヒートショックは、正しい知識を元に、正しく予防することが重要です。

急激な温度差にさらされないことが何より大切

ヒートショックによる事故が、北国に多いわけではないということからも、その原因は寒さだけではなく、急激な体感温度の差にあることがわかります。

もっとも注意が必要なのは入浴時ですが、急激な温度差を感じるのは、それだけではありません。日常のちょっとしたすきまに危険がひそんでいることを知っておきましょう。

ここでは、ヒートショックが起こりやすいケースに応じた予防法を紹介します。

入浴時

入浴時にヒートショックを防ぐ方法についてはこちらの記事をご覧下さい。
「ヒートショックに注意!血圧と入浴の関係」

起床時

暖房の効いていない部屋の場合、起きてすぐにそのまま布団から出ると、急激な冷気にさらされるため、血圧が一気に上昇してしまいます。

布団の中で伸びや、手足の指の曲げ伸ばしなどのストレッチをし、体を温めてから布団を出るようにしましょう。また、布団やベッドから手が届くところに、すぐに羽織れるものを用意しておきましょう。

ゴミ出しなど暖かい家屋からちょっと外に出る時

ほんの少しの時間だからと薄着のまま外へ出るのは禁物です。温度差が10度以上の急激な寒暖差を感じることがヒートショックを引き起こします。暖かい室内から冬の屋外へ出る場合は厚着をするなど、必ずしっかりと防寒対策をするようにしましょう。

また、首回りは太い血管が通っているにもかかわらず露出しがちな部位です。マフラーを巻いたり、タートルネックの洋服を着用することで大きな予防効果が得られます。

トイレ

一般的な家庭では、トイレに暖房器具を設置していない場合がほとんどだと思います。しかし、トイレ室内はリビングやダイニングといった他の部屋と比べて極端な温度差が生じやすいうえ、衣服の上げ下ろしをして冷気を直に肌に感じる場所でもあります。特に冬の早朝や夜中のトイレの冷え込みには要注意が必要です。

可能であれば、狭い室内にも置ける小型の暖房器具を用意しましょう。難しい場合は、暖房式便座やパイル地の便座カバーを導入することをオススメします。

また、スリッパもひんやりする素材を避け、パイル地などをチョイスしましょう。

衣類の着脱時

朝の着替えは、部屋を先に暖房器具で暖めてから行いましょう。また、脱衣所に暖房器具がない場合の入浴時の脱衣は、お風呂が沸いたら湯船のふたを開け、室内を温めたのちに浴室内で行うようにしましょう。

そして、直に肌に触れる肌着は、冷たさを感じない起毛素材や温感素材のものを選びましょう。

もし家族がヒートショックになってしまったら?

ヒートショックの主な症状は、軽度の場合はめまいやたちくらみで、このような症状が出たら、動かず安静にして収まるのを待ちます。

重度の場合は、意識障害を引き起こすため大変危険です。中でも、ヒートショックによって心臓に急激な負担がかかったことによって起こる心筋梗塞と、脳の血管に急激な負担がかかったことによって起こる脳卒中は、ヒートショックによって起こるもっとも重篤な疾患です。

もしも同居の家族や、周囲にいる人がヒートショックにより心筋梗塞や脳卒中を引き起こしてしまった場合は、迅速で適切な判断が不可欠となります。緊急時の対応について説明します。

しめつけられるような胸の痛み・呼吸困難・嘔吐・意識障害

心筋梗塞のおそれがあります。一刻を争う状態なので、すぐに救急車を呼びます。応急措置として、嘔吐している場合は吐瀉物を取り除き、横向きに寝かせて気道を確保します。入浴中の事故の場合、まずは湯船から出すことを考えましょう。とはいえ、体の濡れた裸の人を担ぎ上げるのは一人では難しいこと。すぐに人手が集まらない場合は、浴槽の水を抜いて減らし、お風呂のふたなどで上半身を支えて沈まないようにします。

頭痛・激しい嘔吐・めまい・うまく立ったり座ったりできない・眠り込む・ちぐはぐな受け答え・意識障害

脳卒中の恐れがあるので、すぐに救急車を呼びます。脳卒中は頭を動かさないことが重要です。意識がないからといって、無理に揺さぶったりしてはいけません。吐瀉物が喉につまらないよう横向きに安静に寝かせた状態で、救急車を待ちます。

心停止・呼吸がないといった場合は、救急車が来るまでに心肺蘇生などの救急措置を行う事が望ましいですが、知識がないと正しい蘇生法を行うことは難しいと思います。高齢者のいる家庭では、いざという時のために各自治体の講習会を受けるなど、普段から救急蘇生法について知っておくと心強いですね。

おわりに

ヒートショックは、命にかかわるおそろしい現象ですが、環境要因が引き起こすものです。正しい知識を持ち対策を講じることで、確実に防ぐことができます。万全なヒートショック対策で、この冬を元気に乗り切りましょう。

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