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実はとても怖いエコノミークラス症候群とは

はじめに

熊本地震は記憶に新しいと思いますが、被災された際、住み慣れた家の近くにいたいとかペットを飼っているので一緒に避難所に行けないとからと言ったなんらかの理由から狭い車中などで数日を過ごした方がいるようです。しかし、そんな時起きてしまうのが「エコノミークラス症候群」
その名称から本当の病態が見えにくいと指摘されることもありますが、実はとても怖いものなのです。 そんなわけで今回は、エコノミークラス症候群のお話です。

エコノミークラス症候群とは?

エコノミークラス症候群という言葉の定義ですが、飛行機で長時間フライトしたあと、 「飛行機を降りて歩き始めた途端に」呼吸困難やショック症状を起こすこと全般を言います。 で、エコノミークラス症候群の多くの症状の正体はと言いますと… 「急性肺血栓塞栓症」と言います。
なんだか怖そうな名前に変貌しましたね。 長時間のフライトの後に出やすいからこういう名前が付いているだけで、飛行機に限らず、発症する条件が揃ってしまえばいつでもどこでも起きるものであるとお考えください。
ビジネスクラスだからと安心はできません。

電車や自動車でも発生するので「旅行者血栓症」という別名があります。

実はとても怖いエコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群で引き起こされる症状の正体を急性肺血栓塞栓症と紹介しました。
“きゅうせい” “はい” “けっせん” “そくせん” “しょう” 急に、肺が、血栓で、塞がれる、症状、ということです。
長時間同じ姿勢で動かずにいると、腕や脚の静脈で血液が滞りがちになります。
座席に座ったままだと特に下半身を動かすことが難しいため、 足の方で血液の流れが滞り、血栓(血の塊)ができやすくなります。
後述しますが、血栓の発生そのものは誰しもが起こってしまうことですが、血栓が生じやすい人、 というのもあります。 長時間のフライトで動けず脚にできてしまった血栓は、飛行機を降りるときの動きによって細かく 壊れたり移動したりします。
この動き始めた血栓が静脈の血流に乗り、一度心臓に戻ります。 心臓に戻った血液は肺で酸素を受け取るために肺動脈から肺に向かって放出されますが、この時に肺動脈のどこかを塞いでしまうことにより呼吸困難に陥るのがエコノミークラス症候群で引き起こされる急性肺血栓塞栓症の正体です。
肺に至る血管が詰まってしまうため、その時点で呼吸ができなくなります。 この塞栓が急激に、広範囲にわたると心肺停止状態となり突然死に至ります。
エコノミークラス症候群の死亡率に関しては諸説あり、はっきりしていないのが現状です。 ただ、はっきりしていないというだけで、その数値は10%~30%となっており、決して低い数値ではありません。
重要な血管が血栓によって詰まってしまうことで突然死に至る可能性があるという点では、 心筋梗塞や脳梗塞と同等の危険がある病気だということを認識しておきましょう。

エコノミークラス症候群になりやすい人

下肢の静脈血栓症は誰にでも起こり得ますが、なりやすい人というものもあります。
・中高年の人(加齢により血管が傷つきやすくなっている)
・肥満(脂肪により血管が圧迫されやすく、血液の滞留が起こりやすい)
・以前大きな手術を受けた人
・下肢に骨折のあるひと
・糖尿病・高脂血症・高血圧など生活習慣病の人(すでに血管内壁が傷ついている可能性が高い)
・下肢静脈血栓を起こしたことがある人
・血液が固まりやすい人
・経口避妊薬を飲んでいる人(副作用として血栓症がある)
・妊娠中・出産後などの人(ホルモンの関係により血栓ができやすい)
・激しいスポーツをしている人
・喫煙者(そもそも血流が悪くなる) これらに該当する人は特に気を付ける必要があります。
また、経口避妊薬のように使用している医薬品などによって血液が固まりやすくなることもあります。 例えば歯科治療などで止血目的の内服薬が処方されることもありますが、これもリスク因子となります。

長時間の旅行などを予定している人は主治医に伝えるようにしましょう。

どうやって防ぐのか?

下肢の血流が悪くなって固まってしまうのが原因なので、それに対応することになります。

1.水分補給

水分が少なくなるだけで血の流れは悪くなります。分かりやすく言うと、濃くなってドロドロになります。 ただし気を付けなければいけない点があります。
水分補給と言ってもコーヒーやお茶などのカフェインを含むものや、ビールなどアルコールを含むものはそれらの利尿作用により補給分よりも水分が失われてしまう傾向にあるので避けましょう。

2.足の運動

動かさないことで血液が滞留するので、動かせばいいわけです。
・長時間のフライトであれば、少し遠めのトイレに行く
・血管が圧迫されやすいので足は組まない
・少しでいいのでスペースを見つけて屈伸運動をする
・座席でできる簡便な足の運動法を記したパンフレットが置いてある場合があります

3.その他

血液が固まりやすい人は予防的に抗凝固療法を行っておく。
具体的には血液が固まりにくくなる内服薬を使用します。
また、血液のうっ滞が原因なのでマッサージも効果的ですが、意外と効果があるのが弾性ストッキング。 ストッキングの圧力で血液をうっ滞させなくするものです。 一つ持っておくとよいかもしれません。

男性用のタイツも販売されておりますので、利用するとよいですね。 サポータ弾性ストッキングは寝ている間も使用することができるので効果的ですね。

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おわりに

日本という国に住んでいる以上はどこにいても震災に巻き込まれるリスクがあります。熊本・大分の震災本当に大変なことと思います。 余震の回数は中越地震を超えたと言われています。いまだ眠れない夜も多いことでしょう。
普段の生活で当たり前にできていること、例えば入浴なども自由にできずストレスもたまります。

避難所生活に於けるエコノミークラス症候群は熊本の震災に限らず、阪神淡路大震災でも新潟県中越地震でもありました。 しかし今回の熊本の震災は特に話題になっています。エコノミークラス症候群に陥る方が非常に多かったからです。
エコノミークラス症候群になりやすい人の特徴をよくみると、生活習慣病と関連が深いことが分かります。実は熊本県、人口10万人当たりの人工透析患者数が日本一多い県なのです。 ちなみに日本は人口あたり透析患者数が世界一であり、その日本で一番多いということは、 熊本県は人口当たりの人工透析患者が世界一ということになってしまいます。 日本の人口当たり透析患者数トップ10のうち、九州の県が5つも入っています。 はっきりとした理由は分かっておりませんが、熊本だけではなく、九州全体の傾向のようです。
透析が必要になってしまう最大の原因は糖尿病ですが、透析になるほど糖尿病を進行させないよう普段から食生活などに気を付けて生活習慣病を予防することは、 震災の時に自らを助けてくれることになるのかもしれませんね。

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