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長引く咳は結核かも?検査方法や予防法は?

長引く咳は結核かも?検査方法や予防法は?

はじめに

かつては不治の病として恐れられていた「結核」。医学の発達により有効な治療法が確立しましたが、実は現在でも、世界で960万人、日本では2万人程度の患者が毎年発生している感染症です。
初期症状はかぜに似ていて区別が付きにくいので、咳が長引くようなら要注意です。

結核とは

結核とは、「結核菌」という細菌が体内に入り増殖することによって引き起こされる病気で、日本では、結核患者の約8割が肺に炎症が生じる「肺結核」です。初期の症状は、咳、痰、発熱などかぜとよく似ていて、体重の減少や食欲不振、寝汗をかくといった症状もみられます。

結核の場合、これらの症状が2週間以上と長く続くのが特徴。もし、結核が疑われる場合は、結核予防会の病院で医師の診察を受けましょう。自宅や職場の近くに結核予防会の病院がない時は、結核の診療が可能な病院について保健所に問い合わせてください。

公益財団法人 結核予防会




結核は、早期に診断を受けきちんと薬を飲むことによって治る病気です。
しかし、症状が長引いているのに医師の診察や治療を受けないと、だるさや息切れ、血の混じった痰が出るなど症状が進み、最悪の場合、血を吐いたり呼吸困難に陥ったりして死に至るケースもあります。
また、結核は空気感染しますので、せきやくしゃみによって周りの人に結核菌をうつしてしまう恐れもあります。

もし、結核菌に感染しても必ず発病するとは限りません。人が結核菌を吸い込み、菌が体内で増殖し始めるのを「感染」と呼び、大抵の場合は免疫により活動が抑えこまれます。
しかし、体力が低下していたり免疫力が落ちていたりすると、咳や熱などが出る状態、つまり「発病」に至ります。
なかには、感染から1年以上、長い場合であれば何十年もたってから発病するケースもあります。発病する人の割合は、感染した人の1~2割といわれています。

検査や治療の方法は

感染しているかどうかは「インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)」と呼ばれる血液検査で調べることができます。
他に「ツベルクリン」という液体を皮肉注射して48時間後に皮膚が赤くなるかどうかを調べる検査方法もありますが、IGRAの方が試験管内で結果がすぐに分かることや精度が高いことから主流になっています。

発病しているかどうかは、胸部のレントゲン撮影を行い、疑わしい場合はCTスキャンなどの精密検査を実施します。保有している結核菌を体外に出しているかどうか、すなわち他人にうつす可能性があるかどうかは喀痰検査で調べます。

結核の治療方法は、基本的に3~4種類の薬の服用です。一般的に、服用期間は6カ月と長いですが、途中で服薬を止めたり医師に指示された通りに飲まなかったりすると、結核菌が薬に対して抵抗力を持ち、薬が効かなくなる恐れがあります。医師の指示を守ってきちんと飲みきるようにしましょう。
結核菌を体外に出していない場合は通院で構いませんが、体外に菌を排出している場合は、その状態が治まって他の人にうつさないと確認されるまで入院することになります。個人差はありますが、患者の入院期間の平均は約2カ月間です。

予防はどうする?

予防方法は、小さな子どもと大人とでは異なります。

乳幼児

乳幼児の予防に効果的な方法は、結核の重症化を防ぐワクチン「BCG」の接種です。毒性を弱くした牛型結核菌を注射して、軽い結核のような反応を起こします。結核菌への免疫をつけて、重症化を防ぐのが狙いです。

生後5カ月から8カ月までに接種するのが一般的で、生後1歳までであれば自治体が費用を負担してくれます。ワクチンの効果は十数年持続するといわれています。

成人

大人になってからの予防方法は、免疫力を低下させないことが中心となります。
免疫力を上げるためには、体温を上げることが重要。そして体温は、筋肉量と深い関係があります。筋肉量が減ってしまうと体温が低くなり、免疫力が低下してしまいますので、適度に運動し筋肉量を増やすよう心掛けましょう。

疲労をため込みすぎないようにすることも大切です。日頃から十分な休息を取り、規則正しい生活を送りましょう。

免疫を高める食品には、ビフィズス菌を含むヨーグルト、オリゴ糖を含むバナナなどがあります。細胞が酸化すると免疫力が低下するといわれており、これを防ぐ「抗酸化作用」の強い食べ物もおすすめです。ビタミンCを含む柑橘類や、ベータカロテンを含むニンジンなどの野菜を積極的に取るようにしましょう。ビタミンA、Cは、ビタミンEと一緒に取ることで、より効果的に摂取できます。
にんにくも免疫を高める食材の一つです。アリシンによる殺菌作用、豊富に含まれるビタミンB群による疲労回復、体を温める作用などが期待できますので、毎日の食事に積極的に取り入れたいですね。

また、定期的な結核の健康診断も有効です。特別養護老人ホームといった社会福祉施設などでは、職員や入所者に対して1年に1回の結核の健康診断が、感染症法により義務付けられています。

おわりに

結核は適切な治療で治る病気です。長引く咳や発熱に悩んでいる場合は、症状の悪化や人にうつしてしまうことを防ぐために、早めに医療機関を受診しましょう。感染を防ぐため、マスクなどを着用して周りに配慮することも大切です。

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